お正月や年度始め、誕生日といった節目や月毎に計画を立てることを習慣化している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ、
・計画を立ててもいつも実行できずに終わってしまう
・盛り込み過ぎて現実的でない計画を立ててしまう
・そもそも計画の立て方がよくわかっていない
そんな計画に関するお悩みもよく耳にします。
今回は、計画が失敗してしまう理由とその解決法について解説します。
なぜ計画倒れしてしまうのか?
計画倒れになってしまう理由は2つあります。
1つは、自分のベストな状態を想定して計画を立てているから。急な予定が入ってしまったり、体調が万全でなかったりすることはよくあります。自分の使える時間もコンディションもいつでも100%であることを前提に計画を立ててしまうと、少しでも想定外のことがあると途端に計画倒れになってしまいます。
理由の2つ目は、見積り時間の甘さにあります。何にどのくらいの時間がかかるのかを把握できていないと、「このくらいかかるだろう」という時間の見積りが甘くなってしまいます。そもそも、かかる時間を見積もることをしていない方も多くいらっしゃいます。
その結果、24時間という限られた枠のなかに、どう頑張っても収まりきらない「やるべきこと」を詰め込んでしまうのです。
この2つの課題を解決するには、時間を整理したうえで計画を立てることが必要です。
自分が立てた計画通りに行動できると、達成欲が満たされます。達成欲が満たされると、あえてモチベーションを上げなくても、「やりたい!」という純粋な気持ちでさらに行動できるようになるのです。
だからこそ、計画の立て方は重要です。計画倒れで自信を失うのではなく、実現可能な計画を立てて、無理なく行動できる自分になりましょう。
では、実現可能な計画はどのように立てれば良いのでしょうか。その手順をみてみましょう。
計画倒れにしないための3STEP
実現可能な計画を立てるには、3つのSTEPが必要です。まずは、ログを取る。次に、正確な見積り時間を割り出す。そして、スケジュールに落とし込む、という3STEPです。
【 STEP1 】ログを取る
何にどのくらいの時間がかかるのか、ログ(記録)を取りましょう。ログを取ることで、次からは同じことをするときにどのくらいの時間がかかるのか、見積り時間を出しやすくなります。
まずは普段からやっているようなこと、たとえば資料作成にどれくらいの時間がかかっているのかを記録しましょう。事前調査に○分、PowerPointで資料を作成するのに○分、修正に○分、といったように細かく把握できるとさらに見積りの精度も高まります。
【 STEP2 】正確な見積り時間を割り出す
ログを取ったら、次に正確な見積り時間を割り出しましょう。「正確な」というと、1分1秒誤差がない見積り時間を割り出す必要があるように感じるかもしれません。けれど、見積り時間と結果時間を1分1秒ズレがない状態にすることは不可能です。ただし、その誤差をなるべく小さくすることはできます。
適当な見積り時間ではなく、自分の過去の実績から導き出した見積り時間の方が、実現可能性が高まるのは当然です。ログを取った後に、それぞれのタスクにかかる見積り時間をリストにしておくと計画を立てるときに便利です。
【 STEP3 】スケジュールに落とし込む
見積り時間を割り出したら、スケジュールに落とし込みます。かかる時間がわかったとしても、いつやるのかが具体的に決まっていないと、人はなかなか行動に移せません。
見積り時間がわかったタスクについては、「○日の○時からやる」といったように、具体的にスケジューリングしましょう。いつやるのかを決めるということは、「次は何をしよう」と迷う時間を減らすことにもつながります。
そして、スケジューリングするときには、「バッファ」も必ず入れておきます。バッファとは、「ゆとり」や「余白」のこと。つまり、何も予定のない余白の時間を確保する、ということです。
突発的な仕事の依頼や、自分や家族の体調不良により、仕事が中断せざるをえないことはあります。そういった事態にも臨機応変に対応する必要があります。バッファ時間を組み込んでおくと、不測の事態による計画のズレも調整しやすくなります。
計画倒れを防ぐには3カ月目標がおすすめ!
計画というと、「年間目標」を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど、タイムコーディネートに年間目標は必要ありません。年間目標の代わりに、3カ月目標を立てることを推奨しています。「年間」ではなく、なぜ「3カ月」なのか、その理由は3つあります。
3カ月だと忘れない
今年のはじめに年間目標を立てた方は、その目標を覚えているでしょうか。ある調査によると、新年に立てた目標を年末まで覚えている人は1割ほどしかいない、という結果も出ているほどです。
忘れてしまう年間目標を立てるよりは、覚えていられる「3カ月」というスパンで目標を立てた方が、実現可能性は高まります。
3カ月だと軌道修正がしやすい
目標を立てて、行動し続けると、軌道修正は必ず必要になります。つまり、目標は変わっていくものなのです。1年という長期の目標をあらかじめ立ててしまうことで、軌道修正がしづらくなってしまうことも。
3カ月という短い期間で軌道修正をしながら、より自分のありたい姿に近づく目標を設定していきましょう。
3カ月だとチャンスを掴みやすい
年間計画を立てることで、長期視点で物事を考えられる一方、余裕を持ちすぎてしまうこともあります。目の前にあるチャンスにも「まだ1年あるから今じゃなくても……」と、反応できなくなってしまう可能性があります。
遠くを見過ぎて目の前のチャンスを見落とさないためにも、3カ月を一区切りとして目標を考えてみましょう。
目標が遠すぎると、目標達成に必要なタスクの棚卸しが難しくなります。逆に、1カ月という短期間だと、すでに予定が入っていて、目標達成のためのタスクを実行する時間を確保することが難しい場合もあるでしょう。
ゴールまでに必要なタスクを想定しやすく、具体的な行動計画を立てやすいのが「3カ月」なのです。
まとめ:計画倒れをなくすには時間の整理から
なんとなく立てた計画は、実現できずに自信をなくしてしまうだけ。まずは、自分の時間の使い方をしっかりと把握することからはじめましょう。
STEP1:ログを取る
STEP2:正確な見積り時間を割り出す
STEP3:スケジュールに落とし込む
という3つのSTEPで、バッファも確保しながら、実現可能な計画を立てていきましょう。
そして、目標は「年間」ではなく、「3カ月」という短い区切りの方が実現しやすくなります。
ぜひ実践して、計画倒れを卒業しましょう!
文:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子
\ タイムコーディネートをご自身の暮らしに生かしたい方へ /
\ タイムコーディネートを社員教育に取り入れたい方へ /