毎日を忙しく過ごしていると、「現状を変えたいけれどその時間がない」と思われるかもしれません。けれど、それではいつまで経っても時間に追われる毎日から逃れることはできません。
洋服やインテリアを選ぶように、好みやフィット感・心地よさを軸に時間の使い方を選ぶ「タイムコーディネート」の考え方を取り入れて、忙しい毎日を心地よい毎日に変えていきましょう!
タイムコーディネートでは、
・心地よさという自分の「原点」
・こうありたいと願う「理想」
・目の前に広がる「現実」
という3つの視点を大切にしています。
今回は、目の前に広がる「現実」を整理する方法について、3つのポイントをお伝えします。
タイムコーディネートのベースとなる考え方やタイムマネジメントの違いを知りたい方はこちらもあわせて読んでいただけると、より理解が深まります。
時間を見直すポイント1:予定を入れる順番を意識する
緊急のタスクや人とのアポイントをまずは予定に入れていませんか。予定を入れる順番を変えるだけで、時間に追われる感覚はかなりなくなるはずです。
未来に繋がるタスク
タイムコーディネートでは年間目標は立てません。その代わり、3ヵ月目標を設定します。この目標達成に繋がるタスクをまずは予定に入れていきましょう。
バッファ
次に、バッファ時間を確保します。バッファとは、英語で「緩衝材」という意味があります。突発的な出来事や体調不良にも対応できるように時間の余白を持ちましょう。バッファの設定方法は以下のような方法があります。
タスクごとに入れる
タスクが終わるごとにバッファを設定する方法です。1時間でできる予定のタスクをスケジュールに入れたら、その後に20分のバッファ時間を設けるイメージです。
1日の最後に入れる
17時に仕事が終わるのであれば、16時以降はアポイントを入れずに1時間のバッファを確保する方法です。
1週間の最後に入れる
会社員の方は難しいかもしれませんが、フリーランスの方や専業主婦(夫)の方は1週間の最後の一日をバッファとして、他の予定を入れないようにする方法もあります。
人それぞれ働き方や性格によって合う方法は異なります。いろいろと試してみて、自分に合った方法を見つけてください。
人とのアポイント
未来に繋がるタスクやバッファを予定に入れた後にようやく人とのアポイントを予定に入れます。ついつい人にスケジュールを合わせてしまいがちですが、自分にとって欠かせない時間は先に確保しておくことを習慣化しましょう。
緊急のタスク
最後に目の前のやるべきことを予定に入れます。予定は緊急のタスクから入れるものだと思われるかもしれません。けれど、緊急のタスクばかりに時間を使っていては、時間に追われる状況を変えることはできません。勇気を持って、優先順位を変えましょう。
時間を見直すポイント2:タスクにかかる時間の見積り精度を高める
「忙しい」「時間がない」と感じるのは、自分が使える時間以上にやることを抱えているからです。そして、やることを抱えてしまう原因は、何にどれくらいの時間がかかるのかを把握できていないことにあります。そもそもタスクにかかる時間を見積もっていなかったり、見積りが甘かったりすると、自分ができる以上のタスクを抱え込むことになるのです。
見積り時間の精度を高めるためには、何にどれくらい時間がかかっているのかのログ(記録)を取りましょう。すべてを記録しようとしなくても良いので、思い出したときだけでもまずはやってみてください。ログを取ることを繰り返すことで、見積り時間の精度は自然と高まります。
計画通りにタスクを進められるようになると、自分自身への信頼感も増します。その結果、もっと達成しやすい自分になれるのです。
タイムコーディネート手帳では、タスクの見積り時間と結果を書く欄がウィークリーページに用意されています。ただ、タスクを書き出すだけではなく、しっかりと手帳で検証までできるようになっているのです。また、期限を明確に設定することで、目標達成率も上がります。
時間を見直すポイント3:振り返りの時間をもつ
振り返りのタイミングは?
1週間の振り返りは日曜日の夜までに終わらせ、翌週のスケジュールも確認できるように、時間を確保しておきましょう。
月曜日の朝、前の週の振り返りから始めるのはとてももったいない時間の使い方です。脳は起きてからの3時間がゴールデンタイムといわれています。ゴールデンタイムを有効活用するためにも、振り返りは前の週に終わらせて、月曜日の朝はスタートダッシュが切れるようにしたいものです。
1週間の振り返りだけではありません。毎日、仕事を終える5~10分前に1日を振り返る時間を確保すると、次の日は朝から気持ち良く行動できるようになります。
振り返りの項目は?
振り返りは以下の3つの項目で行ってください。
できたこと、やってよかったこと
まずは1週間の成果を振り返り、自分の頑張りを褒めましょう。
振り返りが自分へのダメ出しになってしまう方がいらっしゃいます。けれど、計画通りにいくことの方が稀です。計画通りにいかなかったとしても、何かしら成果はあるはずです。振り返りはポジティブな気持ちで行うことを意識してください。
できなかったこと、継続が難しかったこと
自分を労ったあとは、冷静に改善点を振り返ります。
改善点を考えるときには「時間」を軸に課題をみつけます。
・時間を確保できなかったからできなかった
・時間をかけたのにできなかった
この2つは結果が同じでもその原因は大きく異なるはずです。
手放すこと
タスクリストには入れていたものの、本当は自分がやる必要がないものをタスク化していなかったかを振り返ります。
・自分がやることで効率が悪くなる
・義務感でやっている
・そもそもやる必要がない
こういったものを価値観や思い込みで、自分のやるべきタスクと認識していないでしょうか。
具体的なタスクはもちろん、その元となる価値観や思い込みも手放す対象になります。
振り返りで落ち込みそうになったら?
落ち込むことは当然あるものとして、自分を責めることはやめましょう。ネガティブな感情もポジティブな感情も自分のなかにある感情を大切に扱うことが大事です。
計画を実行するには、プランニング力・意思力・行動力が必要だと思うかもしれません。もちろんこれらがあることで、計画を実行しやすくなるでしょう。けれど、一番大事なのは、「楽しい!」「未来を想像するとワクワクする!」といった自然と行動したくなるポジティブな感情です。
そのためには、落ち込みそうになったときにはその感情を無理になかったことにするのではなく、セルフケアできる方法を事前にいくつか用意しておくと良いでしょう。
まとめ:心地よさは時間を見直す度に増えていく
仕事、家事、子育て、地域活動、趣味・・・・・・私たちにはやりたいことややるべきことが多くあります。限られた時間を自分にとって本当に必要なことに使うためには、時間の見直しが欠かせません。
一度見直したからといって、すぐに時間の使い方がうまくなるわけではないでしょう。思い通りにいかず、失敗したと思うこともあるかもしれません。けれど、一見、失敗に思えることには、たくさんのうまくいくためのヒントが隠れています。
・スケジュールを入れる順番を意識する
・タスクにかかる時間の見積り精度を高める
・振り返りの時間をもつ
この3つのポイントを意識して、自分が心地よく感じられるようになるまで、何度でも時間の使い方を見直してみましょう!
文:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子
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