「仕事が忙しいから」「会社員だから仕方がない」と、現状を変えることを諦めていませんか。
会社員の方たちにお話を伺うと、
・とにかく時間がない
・子育てと仕事で身体が疲れている
・やりたいことはないし、スキルもないけれど、何かやってみたくてモヤモヤしている
・家族のために自分を犠牲にして、それがいいことだと思っていたけれど、家族関係が良いとはいえない
・自分のやりたいことに時間をかけても、前に進んでいることを実感しにくい
・組織の一員としてやるべきことが多すぎて、自分のやりたことを考える暇もない
といったお悩みが出てきます。
毎日仕事を頑張っているのに、成果を感じにくかったり、時間に追われてやりたいことができなかったり、時間の使い方には課題を感じている方は多いようです。
そこで今回は、会社員の方に向けて、仕事が忙しくても時間を生み出せる3つの方法をお届けします。
主語を「私」にして人生の主導権を握る
今は、
・夢や目標を持つこと
・行動力があること
・人生100年時代に向けて自分で対策を取ること
これらを良しとする風潮があります。常に前に向かって、動くことが暗に求められる時代です。
与えられたものだけでなく、いろいろなことにアンテナを立てて、主体的に行動していこうと、みなさん頑張っておられます。その結果、「時間がない」という悩みが出てくるのです。
「時間がない」を分解してみると、そこには2つの意味があります。
・やらなくてはいけないことが多すぎて、やりたいことをする時間がない
・やりたいことがありすぎて時間がない
これは似て非なるものです。
前者の場合、たとえ時間に追われていたとしても、自分で選んでそうなっているのであれば、時間の使い方を整理すればいいだけです。
後者の場合、自分以外に時間をコントロールする権利を握られている可能性があります。まずは主導権を取り戻しましょう!
ポイントは、主語が「私」になっているかどうか、です。
「子どもが小さいから・・・・・・」ではなく「私が子どもとの時間を大切にしたくて」
「仕事が忙しくて・・・・・・」ではなく「私がこの企画を実現させたくて」
このように、「私」を主語にするだけで、時間に対する意識が変わってきます。
前に向かって行動するために時間を使うことは良いことです。それ以上に、その時間の使い方、ひいては自分の生き方の主導権を自分が握っていることが重要です。
「やらなくてはいけないことが多すぎる」そう感じるときには、主語が誰に(何に)なっているのかを見直してみましょう。
仕事の忙しさを解決するのは「効率」ではなく「充実度」
「時間がない」となると、もっと効率化しなくては、隙間時間を活用して速くやることを進めなくては、という意識が働きます。
では、仕事の効率を上げると、忙しくなくなるのでしょうか。現実は、こなせる仕事が増えるだけです。仕事はいくらでもあるので、やってもやっても次の仕事がふってきます。これを私は「わんこそば状態」と表現しています。
業務の効率化は仕事時間を減らすのではなく、こなせる仕事を増やすものなのです。
必要なのは、「思考の転換」です。
仕事の生産性を上げたら人生の充実度が上がるのではなく、人生が充実しているからこそ日々の生産性も上がります。
仕事が忙しくて時間がないと感じるとき、仕事時間だけを見てどうにかしようとしがちです。そうではなく、人生全体の充実度が上がる時間の使い方を考えてみてください。
毎日が楽しくてワクワクすると、それだけでエネルギーがわいてきます。
思い出してみてください。恋愛はまさにそうですよね。恋愛がうまくいっていると生き生きするし、結果も出やすくなります。
箱根駅伝で有名な青山学院の原監督も「恋愛がうまくいっている選手はタイムも上がる」と言っていました。逆もしかりで、失恋するとタイムが途端に落ちてしまうそうです。
とはいえ、恋愛は相手があってこそのものです。気持ちを「相手」に左右されるのではなく、「自分」でワクワクする感情を生み出していきましょう。だからこそ、自分の心地よさを軸に時間の使い方を見直すタイムコーディネートの考え方を身につける必要があるのです。
日々の中に、ワクワクする感情はありますか。「楽しい」というパワーは、行動のエネルギー源となります。
毎日を楽しいと思える時間で満たしていく、という意識を持ってほしいのです。「人生の充実」という視点から、時間の使い方を整理してみてください。
仕事が忙しいからこそ睡眠時間を確保する
・自分にムチ打つ時間の使い方をしてきた
・がむしゃらな行動量で目標達成をしてきた
・やることをとにかくたくさん抱えている
このような方に共通しているのは、睡眠時間を削って何とかする、という力技で乗り切ってきている、という点です。
私は40代ですが、10代20代のような体力はありません。睡眠不足はパフォーマンス力を下げることを実感しています。
睡眠時間を削ると、生まれるのは弊害ばかりです。
・頑張っても仕事がはかどらない
・ミスや失敗が続く
・ただ時間だけが過ぎてしまう
・疲れやすくなる
・感情が揺さぶられやすくなる
など、経験がある方も多いのではないでしょうか。心地よい時間の使い方とは程遠くなってしまうのです。
限られた時間の中でありたい未来を実現していくために、忙しいからと睡眠時間を削るのは悪手だと言わざるを得ません。
1日に6時間寝ていたら十分だと思われるかもしれません。
けれど、
・6時間睡眠を14日間続けると48時間徹夜したのと同程度の認知機能になる
・6時間睡眠を10日間続けただけで24時間徹夜したのと同程度の認知機能になる
という研究データもあります。
参考文献:『ブレインメンタル強化大全』樺沢紫苑著 サンクチュアリ出版
これではせっかく成果を出そうとしても、イメージとして、8時間かけてやったことが、実は6時間分の仕事量だった、ということになってしまうのです。
逆に、睡眠時間をしっかり確保しておくと、仕事時間の質は上がります。
睡眠時間を削って頑張るより、1時間でも多く睡眠時間を確保することを意識してみてください。
心地よく時間を使いながら、ありたい未来を掴みにいくというタイムコーディネートを実践する。その第一歩が「睡眠時間の確保」ともいえます。
まとめ:時間の質を高めて、自分の時間を取り戻そう!
今回は、仕事で忙しくしている会社員の方が時間を生み出す3つの方法についてお届けしました。
1つ目が、自分を主語に時間をどう使いたいのか整理していく。
2つ目が、仕事時間だけを効率化しようとせずに、人生の充実度を考える。
そして3つ目が、睡眠時間を何よりも確保する。
これは会社員以外の方にももちろん適用できます。
1日が24時間であることは変わりません。けれど、時間の質を高めることで、時間を生み出すことはできます。自分が時間をどう使いたいのか、どうしたら心地よい時間の使い方ができるのか、ぜひこの機会に向き合ってみてください。
文:吉武 麻子
編集:宮尾 多希
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