タイムコーディネート手帳で大きな目標も実現できるように vol.51

起業・複業にタイムコーディネートは必須スキルだという中安加織さん。ビジネスだけではなく、プライベートでも大きな目標を着実に実現するためにタイムコーディネート手帳を活用されています。中安さんのタイムコーディネート手帳の使い方や目標を立てる際の考え方について伺いました。

※本記事は2023年8月1日にお送りしたInstagramライブ配信「わたしの時間と手帳のつきあい方」でのインタビュー内容を再編集したものです。

中安 加織 さん
株式会社ミアビータ代表取締役

立教大学経済学部経営学科を卒業後、アパレル専門商社に入社。その後、WEBのベンチャー企業に転職するも、半年後に事業が売却。ストレスが重なり、ある日突然心臓発作が起き緊急搬送される。

死に直面したことで、自分らしい働き方や生き方を模索するようになり、2018年に自分らしく生きるヒントを届けるメディアサイト“Starry Future”を立ち上げ。さらに2020年、40代からの働き方や生き方をサポートする“ミアビータ”を立ち上げ、起業。2022年9月に株式会社ミアビータを設立。同年、家族で北九州に移住。

現在は、北九州と東京を行き来しながらミアビータの運営に奔走する。静岡県出身、一女の母。

ミアビータ
https://meavita.jp/

目次

働き方の変化が時間を見直すきっかけに

吉武 麻子(以下、吉武):タイムコーディネート手帳を使う以前は、どんなことに困っていたのかをお聞かせいただけますか?

中安加織さん(以下、中安):最初に麻子さんにお会いした時、私はまだ会社員でした。月~金曜日までは決まった仕事があるし、自分が自由に使えるのは平日の夜と週末だけだったので、ざっくりとしたスケジューリングで問題がなかったんです。マンスリー手帳も使ってはいましたが、適当にメモをしているくらいで、活用はできていませんでした。

だけど、産休・育休に入って、起業準備を始めると、タスクがどんどん増えていきました。子どもが生まれてからは、自分以外のスケジュールも入ってくるし、これまでのやり方では手が回らなくなったんです。

やることはどんどん溜まっていくのに、気づいたら何もしないまま一日が終わる・・・・・・そんな日々が続きました。「これはヤバイぞ!」と麻子さんのワークショップに参加したんです。

吉武:そうだったんですね。

中安:ワークショップで、1日のスケジュールと1週間のスケジュールを麻子さんと一緒に立てました。理想と現実のギャップを目の当たりにして、ようやく起業するなら時間管理が重要だと気づいたんです。そこからですね、時間の使い方を意識するようになったのは。

今は、タイムコーディネート手帳ですべてを管理しています。日々の業務についてはタイムコーディネート手帳がないとわからないくらいです。

起業・複業にタイムコーディネートは必須スキル

吉武:加織さんが提供されているキャリア創造サービス「ミアビータ」には起業・複業を考えている方がたくさんいらっしゃると思います。起業のノウハウも確かに大事だけれど、大前提として時間の使い方をしっかりと整理できないと、起業も複業も難しいですよね。

中安:難しいでしょうね。自分で自分の時間をしっかり把握して、ちゃんと使えるのは起業における基礎能力だと思います。私たちは起業・複業のサポートをしていますが、まずは時間の使い方から見直してもらっています。

麻子さんの動画講座も受講してもらっているし、手帳を使っていない方にはタイムコーディネート手帳をおすすめしています。「起業したい」「複業したい」という気持ちがあっても、実際には実現するための時間をつくれなれば、何も形にはならないんですよね。タイムコーディネートはすごく大事だと思っています。

吉武:起業するとなると時間の使い方がガラリと変わります。副業・複業となると、今やっていることにプラスしてやることが増えるわけです。であれば、今やっていることをまずは整理しないと、その時間は生み出せません。

すべてを自分で決めて、自分で行動しないと何も前には進めません。それが、自分で仕事をする、ということですよね。だから、時間の使い方もしっかりと自分で手綱を握っておく必要があるんです。

手帳とExcelの併用で人生を俯瞰する

吉武:タイムコーディネート手帳では『5つの「自分」役割シート』で、現在と3年後の自分の役割について考えることができます。以前、加織さんも長期視点で計画を立てている、とお話されていましたよね。

中安:そうなんです。私は、一旦自分の人生を77歳までと仮置きして、Excelを使って残りの人生30~40年のライフプランを作成しています。

自分や旦那さん、娘だけではなく、自分や旦那さんの両親、あとは兄など、自分に影響ある身近な人たちの年齢もExcelにまとめています。子どもの小学校、中学校、高校入学のタイミングは自動的に決まるので、そういった既にわかっているライフイベントはすべて書き出した上で、これからの人生を俯瞰できるようにしています。

吉武:30~40年って短くないですか?

中安:家系的にそれくらいで亡くなっている人が多いのと、終わりを決めることも人生を考える上では大事だと思っています。

私の場合、これまでを振り返ると、10年単位で何かをやってきているんです。学生時代はバスケットを10年ぐらいやって、その後アパレルで10年ぐらい働いて、約10年のキャリアの模索期間を経て、今、起業人生がスタートして3年目。

大体10年単位で動くだろうと思っているので、まずはざっくりと大きな流れを把握して、そこから3年ぐらいの動きを考えています。さらに、3年から1年、1ヵ月、1週間とブレイクダウンしていくので、タイムコーディネート手帳の考え方ともフィットしていて、とても使いやすいですね。

大きな目標は手帳を使ってブレイクダウンする

吉武:長期的な目標が決まっても、そこからブレイクダウンするのが苦手な方も多い印象です。加織さんは大きな目標をどうやって分解するようにしていますか?

中安:そうですね。今、私が取り組んでいるキャリア創造サービス『ミアビータ』で考えると、10年は続けるつもりです。ただ、10年先ってもはや読めないですよね。なんとなく想像できるのはもう3年が限界な気がします。3年でももう難しいかもしれないですよね。

なので、一旦3年という期間で、事業をどの方向に持っていきたいのか、理想とする未来を描いていきます。そして、描いた理想を実現するためには、何をやる必要があるのか、売上も含めてリストアップしていきます。

もちろん、そのピースがすべて計画通りにいくわけではないけれど、ざっくりと1回仮置きしてみることは大事だと思っています。その上で、状況や優先順位が変わる度、定期的に見直して、入れ替えていくようにしています。

家族みんながやりたいことを叶えるために

吉武:仕事は数値化や具体化がしやすいところもありますが、プライベートな目標についてはどうですか?加織さんは2022年に移住されましたが、どうやって具体的に進めていったのでしょうか?

中安:2022年に移住すると決めていたわけではなかったんです。これもざっくりとしたプランのなかで、まずは私が起業をして、3年くらい頑張れば軌道に乗ってくるだろうと考えていました。旦那さんもキャリアシフトしたい気持ちはありましたが、私が起業して軌道にのるまでの間は「守り」の役割を担ってくれていました。3年くらい経ったタイミングで、旦那さんの会社の状況や希望する仕事が見つかったことなどが重なって、結果的に2022年に移住することになったんです。

娘の小学校入学前に、2人のキャリアシフトを叶えるというざっくりとした計画はあったし、計画を想定して2人とも動いてきました。突然移住話が出て、実現したわけではないんです。

吉武:家族の年齢も踏まえた上で、自分はどんな人生を送りたいのかをまとめておくこと、そして、家族でお互いの願いを共有しておくことがすごく大事だと改めて感じます。

移住もそうだけれど、やりたいことを単体で考えると実行しづらく感じることが多くなると思います。いろいろなことが複合的に絡み合っているから、見る角度を変えながら、戦略を立てていけるといいですよね。

中安:元々、旦那さんは海外で仕事をしたい人だったんです。なので、結婚前からどこに住むかはわからないと思っていました。だから、起業するときもどこに住んでいても続けられる形を考えました。

吉武:目標も決めすぎないで、ざっくりと仮置きしてみて、変更があることを前提で動くことは大事ですよね。

中安:そうですね。夫婦ともにどういう暮らしをしていきたいかを日頃から話し合っているので、お互いの願いを実現させるために、その時々でできることをやっています。そのひとつが移住なんです。

吉武:今の時代、いつどうなるかわからないからこそ、どこででも生きていける力を蓄えておくことは必要です。そのために、時間を整理することが必要だと私は感じています。

中安:自分の人生、自分の時間を自分で設計していく必要がありますよね。

目の前のことをすぐやる派から熟考派へ

吉武:加織さんは行動力がありますよね。行動力がある方は、色々自分でやり過ぎてしまう状態になることもありますが、タスクの調整や優先順位はどうしていますか?

中安:そうですね、基本的にはすぐ行動するタイプですね。以前は思い立ったらすぐに何でもやっていたけれど、あれもこれもやってはみたものの「あれ?何も形になっていない」なんてこともありました。『エッセンシャル思考』を読んで、どこにフォーカスを置くかを考えるようになったんです。

やりたいことが10個あると、以前はとりあえずできることからやっていたんです。それが今は、どれをやるのが自分にとってベストなのかを一旦考えるようになりましたね。

自分の時間を把握できるようになって、時間が有限であることをすごく実感したんです。事業もやっているから、やりたいことの中で、今のタイミングで何をやると次に繋がるのかは熟考します。

吉武:熟考するんですね!私は直感でチャンスに乗る感覚的なタイプなので、加織さんの判断基準が気になります。

中安:チャンスに乗るのも大事ですよね。オファーが来たときに直感で動くことは私もあります。でも、それにも判断基準があると思っているんです。チャンスはいつも来るわけではないから、今このタイミングを逃したら、二度と同じチャンスは来ないものってありますよね。それは他のことを調整してでも、何が何でもやると決めています。

それ以外の自分自身のハンドリングで進められるものについては、何をいつどこでやるのかは戦略を立ててから行動に移しますね。

熟考して、やると決めたら迷わない

中安:熟考するようになったのは、私のやりたいことが大きいことだからかもしれません。やると決めたら、コミットしなくてはいけないことが多いので、本当にやりたいことなのかを人に話してみたり、その反応を見て自分がどう感じるのかを観察したりしています。

本当にやりたいことなのかをじっくり選別するので、何か大きな判断をするときは数カ月単位で時間をかけて熟考するんです。熟考するからこそ、絶対にこれをやると決めたら、そこからはすごく早いですね。

吉武:確かに早いですよね。加織さんと私は決めるまでのプロセスは違っても、共通しているのはやると決めたらやるところです。

よくみなさんには、「決断力は早く決断することではなく、決断した後に悩まないこと」だとお伝えしています。だから、決断する前はじっくりリサーチしたり、悩んだりするのもいいんです。ただ、やると決めたら、それを正解にするために行動するのみですよね。

中安:はい、そう思います。

未来のために時間を投資する

吉武:チャンスに乗るためには、その判断ができるだけの時間や気持ちの余裕が必要ですよね。余裕がないと、チャンスそのものを見逃してしまうようにも思います。

中安:余裕は大事ですよね。私は、目の前の作業に追われることは基本的にはありません。今は半年先のことを考えて、準備をしています。もちろん、サービスのプロモーションのような締め切りがあるものについては、目の前のことをやることもあります。けれど、タイムコーディネート手帳を使うようになってからは、常に未来のために時間を確保するようにしています。

ぼんやりと浮かんだやりたいことに対して、常にアンテナを張って情報を集めたり、いろんな人と話してブレストしたり。そういうことを繰り返すなかで、ざっくりとしていたやりたいことがどんどん具体化していきます。このプロセスを私は「熟考」と言っているんですが、そうやって方向性を決めていって、ある程度輪郭が明確になったらGoサインが自分のなかで出るんです。このプロセスに費やすための時間は投資だと思っています。

吉武:確かに未来のことを考えるのは、すごく重要なことですよね。だからこそ、時間の整理をして、緊急ではないけれど重要なことを進める時間を最初に確保する必要があります。それ以外の時間で、今やらなくてはいけないことを入れるようにしないと、ありたい未来に進めることはできないですよね。

中安:未来のための投資時間は意識的に確保していますね。

吉武:いいですね。それをタイムコーディネート手帳を使ってやってくださっているのが嬉しいです。

3ヵ月を積み重ねてやりたいことを実現

吉武:タイムコーディネート手帳のなかで特に活用しているシートはありますか?

中安:『3ヵ月プロジェクトシート』です。俯瞰して、やるべきことを考えるのに欠かせないですね。

吉武:中長期視点を取り入れた手帳はないですからね。日々のガントチャートや年間目標はあるけれど、実際にどう動くかを1枚で把握できるものはなかなかありません。『3ヵ月プロジェクトシート』を重宝してくださっている方がすごく多いです。

中安:そうですね。年間を四半期に分けて、3ヵ月単位で計画を立てていくと目標も実現しやすくなります。

吉武:『3ヵ月プロジェクトシート』は、3ヵ月後に自分がこうありたいというものをまず決めます。上旬・中旬・下旬と1ヵ月を3つに分解したものを3ヵ月分見渡して、3ヵ月後の理想に向けてのマイルストーン、中間ゴール地点を置いていきます。この『3ヵ月プロジェクトシート』やWeeklyページを行き来しながら、日々の進捗状況を確認していただくと、しっかりと未来のことを進められます。

ぜひ加織さんのように『3ヵ月プロジェクトシート』を活用して、みなさんにもやりたいことを実現していただきたいです。

最後に、加織さんからメッセージをお願いします。

中安:「ミアビータ」はラテン語で自分の人生という意味があります。時間=人生なので、どのように時間を使うかはとても大事なことだと思います。自分のための時間を取れていない人も多いと思うので、タイムコーディネート手帳を使って、ぜひ時間を味方につけていただけたらと思っています。

毎朝6時と8時にVoicyでミアビータに登録してくださっている専門家のお話を配信しています。麻子さんもその専門家の一人ですが、専門家ならではのすごくためになるお話をしてくださっているので、ぜひ聞いていただきたいです。

▼ミアビータ「40代から人生を変えるラジオ」
https://voicy.jp/channel/2571

吉武:加織さん、今日はありがとうございました。

中安:ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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