「タイパ」という言葉をご存じですか。
時間を無駄にしたくない方にとって、どうしたらタイムパフォーマンス(タイパ)がよくなるのかは気になるところでしょう。取材や研修で「タイパについてどう思うか?」と聞かれる機会が増えました。
今回は、タイムコーディネーターが考える上手なタイパ術の取り入れ方についてお届けします。
そもそもタイパとは?
タイパとはタイムパフォーマンスの略です。コストパフォーマンスが費用対効果を意味するように、タイムパフォーマンスは時間対効果を意味します。かけた時間に対して、どれだけの効果や価値があるかを表すものです。
タイパを考えるときによく例に出されるのが、ドラマや映画、動画の倍速視聴についてです。
・テレビや動画を観る時間を短縮したいから
・周りの人との会話についていくために、話題のものは一通り観ておきたいから
といった理由で倍速視聴を好む人が増えているのです。
また、感情を揺さぶられたくないから、自分の好みと合うかや結末を事前に確認してから観る、という人もいるようです。
これに対して、
・芝居は間を楽しむもので、セリフの行間を読むもの
・何気ないシーンから登場人物の感情を読み取るもの
・ドラマや映画の倍速視聴なんてありえない
という意見もあります。
私はドラマや映画を倍速で観ることはありません。ただ、動画教材は1.5倍~2倍速で視聴します。
結局は、タイパをする「目的」が大事なのです。
タイパの目的を意識してみる
タイムコーディネートでは、限られた時間で成果を出す必要があることについては、時間管理が有効だと考えています。
けれど、その時間管理をする前に「24時間をどう使いたいのか?」「人生をどう生きたいのか?」を明確にする必要がある、ということも併せてお伝えしています。
24時間すべてではなく、必要なところで時間管理を活かしていくのがタイムコーディネートです。
時間管理をするのはタイムパフォーマンスを上げる、つまり時間対効果を上げるためだと言えます。
仕事や目標達成、家事といった結果を出す必要があるものについてはタイパを意識することは効果的です。けれど、24時間すべてでタイパを意識していたら疲れてしまいます。
ドラマや映画の視聴は結果を出す必要があるものでしょうか。それは、ドラマや映画を何のために観るのか?という目的によって変わります。
周りの人との会話についていくためであれば、ドラマや映画は「会話に必要な情報を得る」ことが目的になります。それならば、タイパを意識した倍速視聴は理にかなった選択だと言えるでしょう。
けれど、リラックスやリフレッシュをするために、ドラマや映画そのものを楽しみたいのであれば、タイパを意識する必要はありません。倍速視聴では、ドラマや映画をじっくりと味わうことはできないからです。
そしてもう一点、注意する必要があります。それは、周りとの会話についていくことが目的で倍速視聴をする、という行為についてです。これは、時間の使い方を自分軸で選ぶことができていません。
周りに合わせた選択は、その時、その場で、自分が心地悪くならないための選択だと言えます。けれど、「心地よい」と「心地悪くない」はまったく違うものです。
「心地悪くない」を選択し続けることは、自分の気持ちに蓋をし続けることになります。そしてそれは、未来の自分を苦しめることになるのです。
そのタイパの目的は何なのか。自分にとっての「心地よさ」と繋がる目的になっているのか。これらを意識してみることが必要です。
タイパ術を活用するときに意識したい3つのポイント
タイパ術を活用するときには、
・限られた時間で成果を出す必要があることか
・それが自分の意思決定からきているものか
・自分が心地よいか
この3点を自分自身に問うことを忘れないでほしいのです。
3点を意識した上で、タイパに効果があるものは私自身もどんどん取り入れています。
たとえば、Chat GPT。リサーチの時間を短縮し、その分、人間にしかできないクリエイティブな仕事に時間を使います。
家電も活用しています。私はタイパはお金がかかるものだと考えています。時間はプライスレスだからこそ、コスパではなくタイパの視点で、便利な家電はどんどん取り入れるようにしています。
そして、事業運営にも活用しているのです。私はチームで仕事をしていますが、それは自分一人では能力や実現できることには限界があると思っているからです。一人では見えない世界をみんなで見に行こう!という思いで、仕事に取り組んでいます。
コスパを重視するのであれば、こちらの提示する時給で受けてくれる人のなかから、少しでもスキルの高い人を探すことになるでしょう。けれど、私はどんなに素晴らしいスキルを持っていたとしても、価値観の合わない人、人間として尊敬できない人とは絶対にチームを組むことはありません。
それは、一緒に過ごす時間の心地よさを大事にしているからです。
経営者としては甘いと言われるかもしれません。けれど、自分のベストパフォーマンスを出すには、心地よさが必須なのです。それが分かっているからこそ、一緒に切磋琢磨しながら、まだ見ぬ遠くの世界に挑戦できる仲間と歩んでいきたいと心底思うのです。
心地よければ、パフォーマンスは自然と上がります。
・自分の心地よさを軸にする
・睡眠時間をしっかり確保する
・手放す
といったタイムコーディネートを実践することが、最高のタイパ術となるのです。
まとめ:最高のタイパ術はタイムコーディネートの実践!
今回は、タイパ(タイムパフォーマンス)についてお伝えしました。
タイパは目的が非常に大事です。何のためにタイパを意識するのかを明確にすることで、その必要性が見えてきます。
・限られた時間で成果を出す必要があることか
・それが自分の意思決定からきているものか
・自分が心地よいか
この3つのポイントを意識しましょう。
そして、この3つのポイントを意識するということはつまり、タイムコーディネートを実践するということです。タイムコーディネートを実践すれば、自然とタイパ効果が表れます。
ぜひ一緒に最高のタイパ術であるタイムコーディネートを実践していきましょう!
文:吉武 麻子
編集:宮尾 多希
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