タイムコーディネート手帳で仕事が忙しくても疲弊しなくなった vol.52

マーケティングプロデューサーという仕事柄、複数のプロジェクトを同時進行することが多い高木つぐ美さん。関わる人も多いなかで、無理なく遅れなく仕事に取り組むためにタイムコーディネート手帳をどう活用しているのかを伺いました。

※本記事は2023年8月2日にお送りしたInstagramライブ配信「わたしの時間と手帳のつきあい方」でのインタビュー内容を再編集したものです。

高木 つぐ美 さん
マーケティングプロデューサー

宮崎県出身、東京都内在住。

 『独自の強み』と『分析』『WEBの仕組み化』で、売上を安定させるマーケティングコンサルタントとして活動。

営業職を15年経験後、ハードワークによる体調不良と祖母の介護が重なり、実家の宮崎へ戻ることに。在宅で仕事ができる働き方を実現するため起業を決意するも、 なかなか売れずに苦戦し、リサーチと分析の重要性を痛感する。 その後、マーケティングを学び、SNSやブログを活用した集客力・売上アップのノウハウを独学で確立。

ユーザー目線のライティング(文章術)を得意とし、感覚派な起業女性や女性向け商品・サービスを提供する企業の売上アップに貢献している。

eightsuマーケティング株式会社
https://eightsumarketing.co.jp/

目次

3ヵ月がちょうどいい

吉武 麻子(以下、吉武):つぐ美さんがタイムコーディネート手帳のなかで活用してくださっているページはありますか?

高木つぐ美さん(以下、高木):『3ヵ月プロジェクトシート』ですね。毎日のスケジュールはGoogleカレンダーで管理しているので、主にプランニングにタイムコーディネート手帳は活用しています。

吉武:『3ヵ月プロジェクトシート』の良さはどこだと思われますか?

高木:1ページで3ヵ月が見渡せるのがいいですね。これが半年だとちょっと長いし、1ヵ月だと短すぎるんです。3ヵ月後のゴールを決めて、そこから何をするかを逆算して具体的に決めていきます。

ホームページを制作するのに2ヵ月、LINE公式アカウントの拡張機能「Lステップ」の構築にも2ヵ月はお時間をいただいています。なので、業務委託でどなたに制作に入っていただくかを仮決めしたり、いつ頃お声掛けするかなどをメモしておくのに、とても便利に使わせていただいています。

吉武:チームで働いているとデジタル管理が便利だとは思うんですが、情報共有前に整理するために手帳に書き出すのはいいですね。

自分のことを後回しにしない工夫

吉武:つぐ美さんはご自身のプロジェクトと、クライアントのプロジェクトと両方を同時に進めていらっしゃると思います。タイムコーディネート手帳にはクライアントのプロジェクトのみを書き出しているんですか?

高木:自分のプロジェクトとクライアントのプロジェクト、両方書き出しています。

『3ヵ月プロジェクトシート』は5列あるので、自分のものは2列、クライアントのものは3列使うことをイメージしています。自分のプロジェクトに関してはSNSやブログなどの認知活動の発信と、自分の事業のサービス設計に分けて書いています。クライアントについてはプロジェクトは3つまで。それ以上増えた場合は1つの列を半分にして使っているんです。

吉武:自分のプロジェクトを入れておかないと、ついついクライアントメインで時間を使いがちですよね。だからこそ、自分のプロジェクトもしっかりと入れているのがいいですね。

高木:あと、制作はいきなり言われてできるものではありません。ご相談後保留になっているプロジェクトに関しては、「いつまでにお返事をいただかないとご希望の納期に間に合わなくなります」とお伝えするようにしているんです。そのリマインドの管理も合わせてしています。

5つの枠で仕事量を見える化する

吉武:クライアントのプロジェクトを3つと決めていると、それ以上増えてくると、キャパオーバーの目安にもなりますよね。

高木:そうなんです。以前は、クライアント用の3つの列をすべて半分にして6列にしても足りないくらいにプロジェクトを回していたときもありました。でも、それはやっぱりクライアントに合わせ過ぎたと反省しています。

クライアントから必要な素材が出てこなかったり、確認にかなり時間がかかったりすることもあったんですよね。制作期間がすごく延びてしまって、こちらもその分人を確保しなくてはいけないので、そこはすごく勉強になりました。今は、行政書士さんにお願いして、制作期間の決めごとを明文化し、契約時にクライアントにもお伝えするようにしています。

改善点に気付けたのは、『3ヵ月プロジェクトシート』の5つの枠で仕事量を見える化できていたからです。それもこのシートを使っていてよかった点ですね。

吉武:そうですね。デジタル上ではいくらでもできそうな気がしてしまうけれど、自分のキャパシティを把握しやすいのも『3ヵ月プロジェクトシート』のいいところですね。

見えるから仕事も手放しやすい

吉武:チーム化しているからこそ、つぐ美さんでしかできないことにフォーカスしていけると思うのですが、その辺りはどうですか?

高木:自分にしかできないことにフォーカスしたいとは思っています。ただ、まだまだ手放せていないことにもタイムコーディネート手帳に書いているからこそ気付けました。

クライアントとの窓口は自分だし、契約やお金のことはうちの会社を通しているので、そこは手放せないと思っています。プロジェクトごとにガントチャートを作っているんですが、それは今、各担当者にお願いしはじめています。とはいえ、いきなり手放すのではなく、作ってもらったものを私が最終的に確認して修正は入れるようにしています。手放すことでクオリティを落としたり、納品を遅らせたりするわけにはいかないので、少しずつですね。

吉武:自分で考えてもらうのも大事ですよね。自分でやらないと納期の意識も強くならないですし。

高木:そうなんです。クライアントにも都合があるし、そもそも新規プロジェクトは変更が多くなりがちなので、しっかりスケジュールを掴んでおかないと、どんどんプロジェクトが溜まってきてしまうんです。だからこそ、みんなが当事者意識をもって前に進められるように、デジタルツールの力も活用しつつやっています。その前段階として、手帳という「紙」を使うのはやっぱり見返しやすいからですね。個人的には紙が好きなんです。

吉武:わかります。私は『3ヵ月プロジェクトシート』かWeeklyのどちらかを常に開いています。常に意識していなくても、この見ている時間がすごく大事なんですよね。

月曜の朝はひとり作戦会議

吉武:他に何か意識して取り入れていることはありますか?

高木:毎週月曜日の午前中は自分の振り返り時間を持つようにしています。一週間がどうだったかを振り返って、手帳にメモ書き程度に残しておいて、Webでまとめることもあります。週に1回は振り返りの時間を1時間でも取ることはすごく大事だと思います。

吉武:大事ですよね。振り返りの時間を持たないと、とにかく来たものに対応することになりかねません。

高木:そうなんです。決めないといけないことって、たくさんあるんですよね。事業について決めるのはやっぱり自分しかいないので、私が決めないと前に進まないし、周りの人も不安になってしまいます。

関わる人が多い分、リスク回避で早め早めにスケジュールもお伝えしておかないと、後でバタバタしたり、誰かが体調を崩したりして作業がストップしてしまい、非常に困ることになるんですよね。

振り返り、次にどうするかを考える週1回の時間は欠かせません。

振り回されないコミュニケーションツールの取り入れ方

吉武:つぐ美さんのチームは今何人ぐらいいらっしゃるんですか?

高木:クライアントの業種がいろいろなので、たくさんの方が関わってくれています。昨年は税理士の先生に聞くところによると、1年間で28人に仕事をお願いしていたそうです。ただ、広げすぎるのもよくないことにも気づいたんです。やっぱり慣れている人に頼んだ方がコミュニケーションコストも下げられるので。

あと、勉強のためによかれと思って、初めての人にお願いすることを昨年はやり過ぎてしまったんです。それが自分の首を絞めてしまったこともあったので、今年はお願いする人を絞るようにしています。それでも、10人くらいにはなるでしょうか。長い人は3年くらいになりますね。

吉武:経営者の難しいところは、事業の決断もしなくてはいけないし、仕事に関わってくれるチームの人のことも見なくてはいけないし、もちろんクライアントのことも見なくてはいけないですよね。情報ひとつとっても、たとえばメッセージも1日にすごく数が来るんじゃないですか?つぐ美さんは即日対応されていますか?それともまとめて時間を確保して、一気に対応されるのでしょうか?

高木:時間を決めて対応したいと思いつつ、忘れないことを優先しているので、割とすぐに対応していますね。

吉武:わかります!

高木:少しでも負担を減らすためにツールは限定するようにしています。うちは今、コミュニケーションツールはChatworkでお願いしています。どうしてもChatworkが難しい場合はSlackで。その2択だけにしているので、それ以外で連絡をするのは基本的にNGにしてもらっています。

ただでさえメッセージの数が多いのに、やりとりするツールがその都度違うのは大変ですよね。ツールを限定して、作業効率をあげることは必須だと気づいたので、このルールに合わせていただける方と仕事をご一緒すると決めているくらい優先度は高いです。

確認する時間は一応朝・昼・夕方と意識はしていますが、どうしても早めに返事をした方がいいものはあるので、それは都度対応しています。基本的には当日中に返事はしていますね。あと、チーム内には「返事が2日こなければ忘れているか、見落としているかなので、リマインドをください」とお願いしています。ツールだけではなく、周りの人にも助けてもらっています。

吉武:そういうリスクヘッジはすごく大事だと思います。

自分の時間は自分で守る

吉武:すごくお忙しそうなつぐ美さんですが、仕事時間は決めているんですか?

高木:法人なので決めなくてはいけなくて、表向きは10時~18時と就業時間は決めています。ただ、今は社員もいないので、個人事業主の延長のような感覚も残っているんです。とはいえ、クライアントへの連絡は10時以降にするようにしています。あまりイレギュラーに対応してしまうと、それが普通になってしまうので。

もちろん、緊急事態には対応しますが、それが当たり前にはならないように、線引きは意識してするようにしています。

吉武:自分の時間は自分で守る必要がありますよね。

高木:そう思います。エンドユーザーに迷惑が及ぶものは基本的には即対応しています。その柔軟性は持ちつつも、契約時には稼働時間を明確にお伝えするようにしているんです。自分が疲弊しないことが、結果的にはクライアントによいものを提供できることに繋がるので、自分の時間は大事にしています。

チーム化するだけでは手放せない

吉武:つぐ美さんが手放すことについて意識していることはありますか?

高木:手放しは永遠の課題ですね。

最近、業務委託の方の請求処理を事務局にお願いするようになりました。事務局用のChatworkを新たに作って、そこで個別にやり取りしてもらっています。まずは計算間違いがないかを事務局に確認してもらって、私が最終確認をするフローにしました。

あちこちから情報をピックアップして、メッセージをやり取りする手間がなくなったので、負担は減りましたね。

吉武:チーム化すると確かに業務の負担は減るけれど、その分人が増えたことで別の手間は増えるんですよね。

高木:本当にそう思います。売上が伸びると、より自分にしかできないことに集中すべく、利益をもとにさらに外注するループになるんですよね。税理士さんにもそれは自然なことだと言われました。だから、関わる人が増えたことで発生する手間は、ツールを使うか、外注するかでどんどん手放していこうと思っています。

吉武:私はGoogleドライブに一人ずつフォルダを作って、そこに請求書を入れてもらうことにしました。入れた後の連絡も不要にしています。小さなことだけれど、人数が増えてくるとその対応も大変なんですよね。

すべてを効率化すればいいというわけではないけれど、自分が負担に感じること、心地よくないことは極力手放していけるようにしたいですよね。

高木:小さなやりとりも場合によっては大事なコミュニケーションになるのが難しいところですよね。絵文字・顔文字や一言で意思表示はできるけれど、それだけでは物足りなく感じる人も中にはいます。相手のあることだから、効率化とコミュニケーションのバランスを取ることは意識しています。チーム化したら業務が手放せる、という単純なものではないですね。

大切にしたいものを大切にできる働き方を

吉武:最後にメッセージをお願いします。

高木:時間にゆとりを持ちたい、家庭やプライベートを大切にしたい、やり甲斐を感じたい、収入をしっかり得たい・・・・・・働き方や生き方を考えるときにも、みなさんそれぞれに大切にしたいものがあると思います。自分が大切にしたいものを大切にしながら働ける人が増えることを私も願っています。

タイムコーディネート手帳の活用もそのひとつだし、働き方を自分でコントロールすることについては私もお手伝いできることがあるかもしれません。興味のある方はぜひ私のInstagramをご覧いただけたらと思います。

▼高木つぐ美さん Instagram
https://www.instagram.com/tsugumarke/

吉武:つぐ美さん、今日はありがとうございました!

高木:ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次