4人のお子さんのママとして、コーチとして、日々忙しくされている塚本あずささん。以前は時短・効率化で忙しさを解決したものの、疲弊してしまったそう。タイムコーディネートを学んで、どんな変化があったのかを塚本さんに伺いました。
※本記事は2024年7月24日にお送りしたInstagramライブ配信「私の時間と手帳の付き合い方」でのインタビュー内容を再編集したものです。
塚本 あずさ さん
タイムコーディネートコーチ
1985年生まれ。福岡県在住。元看護師。
9歳・6歳・3歳双子の母。
双子が1歳のとき、夫が単身でアメリカ留学へ。長年の夢を叶える夫を応援したいと、半年間のワンオペ育児4人を決意。当時、「時短」「効率化」が唯一の解決策だと信じ、疲弊しながらもなんとか半年を終える。
夫の帰国と同時に、突然、愛犬を亡くす。愛犬との最後の時間を忙しさを理由に後回しにしてしまったことを深く後悔。命の終わりを誰も知らない。だからこそ、本当に大切なことに、自分の時間を、命を使うおうと決意する。
タイムコーディネートを学び、現在は、仕事も子育ても諦めたくないママを対象にコーチとして活動しながら、時間改善ワークショップを開催している。
「時間がない!」は効率化では解消しない
吉武 麻子(以下、吉武):あずささんは今年はじめてタイムコーディネート手帳を使っていらっしゃるそうですが、使い始めてから何か変化を感じていますか?
塚本 あずさ さん(以下、塚本):タイムコーデイネート手帳を使ったからこそ、自分の本音を知ることができました。
日々、コーチングを実践しているので、自分と向き合うことはしてきていたつもりでした。けれども、タイムコーデイネート手帳の最初にある『5つの「私」役割シート』を書いたときに、今までは出てこなかった本音が出てきたんです。
「私」をひとつの大きな枠で捉えていたときにはわからなかったことが、「役割」を通して自分を見ることで、「ここを負担に感じていたんだ」とはじめて気づくことができたのが驚きでした。手帳の1ページ目で「この手帳に出会えて良かった!」と感じたくらいです。
吉武:自分と向き合う方法はいろいろあるけれど、「時間」は数字で可視化できてしまうから、ごまかしようがないですよね。自分の理想を考えるときにもより具体的に考えることができます。
塚本:一昨年、夫が半年間海外留学をしたんです。そのときは、4人の子育てと自分の仕事をこなすことに必死の毎日でした。時短や効率化をとことん試し、隙間時間にたくさんタスクを詰め込めるようになっても、モヤモヤは消えませんでした。そんなときに、出会ったのがタイムコーディネートの考え方だったんです。
吉武:時短や効率化で隙間時間を生み出せたとしても、結局はタスクを詰め込むから、時間に追われる状況は変わらないんですよね。もちろん、時短・効率化は限られた時間のなかで成果を出すためには必要です。けれども、まずはどんな時間の使い方をしたいのか、どんな生き方をしたいのかがあってこそなんですよね。
アナログ手帳は時間を連続したものとして捉えられる
塚本:私が大事にしたいこと、目指しているものを手帳ならいつでも確認できます。『3ヵ月プロジェクトシート』にも実際に何をするかを落とし込みやすいし、1ヵ月、1週間の過ごし方も具体的に考えられるようになりました。毎日がぶつ切りではなく、連続したもの、未来に繋がっているものとして捉えられる点が手帳を使うことの良さだと感じています。
吉武:確かにそうですよね。自分と向き合って何か掴んだ気がするときには瞬間的にテンションが上がりがちです。けれども、やっぱり時間が経つと冷めてしまったり、また迷いはじめたりするんですよね。そんなときに手帳に書いておくと見返すことができます。目の前のことに忙しくしているときにも、「私はこのために今がんばっているんだった!」と原点に立ち返ることができるんです。
タイムコーディネート手帳をつくるときに、今の行動とありたい未来が一本の線で繋がる実感が得られることを意識しました。心地よく時間を使うだけではなく、ありたい未来に向かって今何をするかを逆算で考えられる手帳になっています。
塚本:確かに! 手帳を使っていて、そう感じます。
タスクを見積もることでバランスが取りやすく
吉武:すでに変化も感じているあずささんですが、タイムコーディネート手帳を使いはじめて、実はまだ半年なんですよね?
塚本:はい。なので、私も購入者限定で開催されるワークショップのアーカイブ動画を見ながら、自分に合った書き方を試行錯誤しているところです。
これまでもずっと手帳は使ってきているので、書く習慣はあるし、書くことは苦ではありませんでした。けれども、予定を書いてはいたものの、手帳で時間の使い方を見直すところにまではうまく繋げられていなかったんです。手帳が真っ黒になる程に予定を詰め込んだり、睡眠時間を削ったりもしていました。
吉武:やっぱり力を入れて頑張りたい時期というのはあると思います。そういうときには予定を詰め込むこともありますよね。
心地よい時間の使い方というのは、何もいつもゆとりを持ってのんびり過ごすことではありません。ぐっと力を入れてアクセルを踏み込むときにはやり切る。ただ、大事なのは期限を決めることです。自分が時間の使い方のコントロール権を握ることが心地よい時間の使い方につながります。
塚本:タイムコーディネート手帳にはウィークリーページにタスクの見積時間を書く欄がありますよね。そのおかげで、私が1週間で仕事に使える時間を確認する癖がつきました。具体的な時間という数字で1週間をみるから、タスクを詰め込み過ぎていることにも気づけるんです。
その週の成果や改善点を書く欄もあるので、自然と1週間を振り返るようにもなりました。今週は仕事を詰め込み過ぎたから、来週は子どもとの時間を大事にしよう、といったように、バランスが取りやすくなったんです。
塚本さんも活用しているWeeklyページのタスク・振り返りスペース
吉武:見積りの欄があることで、タスクにかかる時間を具体的に考えるようになりますよね。実際にウィークリーページで見積もった時間を確保していくと、あっという間に1週間の枠に入らなくなることが目で見てわかります。さらに、見積りはどうしても甘くなりがちだから、バッファも確保しようとすると、本当に1週間でできることは思っている以上に少ないことを実感すると思います。
時間が限られていることを腹落ちすることは実は大事なことなんです。
心地よさも自分仕様に
吉武:あずささんは4人のお子さんがいらっしゃるんですよね。しかもコーチとしてのお仕事もあって、本当に時間がないのではないかと思います。普段はどんな1日を過ごしていらっしゃるんですか?
塚本:一番上が小学校3年生、真ん中が年長さんの6歳で、下が3歳の双子の4人の子どもがいます。
普段はだいたい5時に起きるようにしています。簡単に自分の身支度をしたら、ルンバをセットします。みんなが起きてくる前に簡単に掃除をしておいてもらうんです。私は自室に入って、子どもたちが起きてくる6時半までは自分の時間にしています。
朝の時間はなるべく仕事をしないようにしています。読書や、私の趣味であるカリグラフィーを書く時間にしたり、朝活仲間とZoomを繋いで話をしたり。朝は自分が本当にしたいことをするようにしています。
子どもたちが起きてきたあとは母業が待っています。学校に送り出して、下の子を幼稚園に送って、だいたい9時半頃にす自宅に戻ります。そこからが仕事の時間ですね。幼稚園のお迎えや子どもの習いごとの送迎があるので、15時か16時には仕事を終わらせます。
たまに自分のために時間を使うこともありますが、子どもたちが学校や幼稚園に行っている間は仕事に集中して、子どもたちが返ってきた後は子どものやりたいことを私もサポートしてあげたいと思っています。夕方からはまた家事をする毎日です。
朝は5時に起きるので、なるべく子どもたちと同じ時間に寝るようにして、睡眠時間を7時間は確保できるようにしたいと思っています。
吉武:夕方からはどうしてもバタバタしませんか?
塚本:起業して、自宅で働いているメリットだとは思うのですが、お昼もだいたい家にいるんです。なので、夜ごはんをお昼に作るようにしています。お昼ご飯は自分ひとりで簡単に済ませるんですが、そのときに夜ご飯の分も野菜を切っておくとか、煮込み料理だったらあらかた煮込んでしまうとか、できることをやってしまいます。お昼にそうやって仕込んでおくと、夕方子どもたちが帰ってきてからの「お腹すいた攻撃」にあわなくて済むので。お互いにイライラしたくないですし、待たせながらご飯をつくるのは私も苦痛なので、16時までにやれる範囲のことをしておくように心がけています。
あと、子どもたちがモンテッソーリの幼稚園に通っていて、私自身もモンテッソーリを少し勉強したことがあるので、子どもたちに自分のことは自分でやることが割と身に付いているように思います。3歳の娘たちも幼稚園の準備は少しずつ自分でできるようになってきています。娘たちが自分のことを自分でできるように環境を整えていることも夕方のバタバタを減らせている理由なのかもしれません。
吉武:参考になるポイントがたくさんですね。朝は自分が好きなことをやる時間を取って、自分の満足度を上げて1日がスタートしているところが、まさに心地よい時間の使い方ができていますよね。
仕事は9時半から16時までと決まっているから、仕事を前に進めるためには時短・効率化も必要になってきます。
お昼ご飯の用意をするときに、あわせて夜ご飯の用意をすることも時短・効率化ですよね。なぜ、そうやって時短・効率化をする必要があるのかというと、夜にイライラせずに子どもたちと心地よい時間を過ごすためなんですよね。
あずささんの心地よい時間の使い方とそのための時間・効率化がスケジュールにもしっかりと反映されていますね。
私の場合は、夜ご飯は週末にバーッと一気に作り置きを用意しています。で、平日は作っておいたものを温めて出しています。ランチも作っておいたものをワンプレートにして食べています。朝時間の使い方にも違いがあります。私は朝にひと仕事、たとえば執筆ができると、いいスタートが切れたなって思えるんです。
自分が何に心地よさを感じるのかは人によって違います。これはやってみないとわからない。それをどうやって1日のスケジュールに組み込むかも試行錯誤して見つけていくしかないんですよね。
タイムコーディネート手帳のウィークリーページには成果・改善・手放しの欄があるので、それぞれに書き出してみて、次の週はまた違うアレンジで試してみて・・・・・・と自分に合うやり方を探してみてほしいです。
新しい1年をスムーズに始めるために
塚本:以前、タイムコーディネート手帳がどうして10月始まりなのかを麻子さんにお尋ねしました。
10月始まりだと、3ヵ月かけて、自分と向き合ってから新しい年を迎えられるからなんですよね。その理由に、私は感動してしまいました。
確かに1月1日に毎年気合いを入れて書くぞ! 頑張るぞ! って思うのだけれど、やっぱり3日坊主で終わってしまったという方も多いように思います。
吉武:1月から気合いを入れて3ヵ月プロジェクトを実践して、時間の見積りが甘かったことに気づいたとしますよね。もう1回やり直そうとするときには、新年度が始まります。子どもの入園・入学があったり、学年が上がったりして、ライフスタイルが変わるんですよね。会社の異動もあるかもしれません。そうすると、1〜3月にやったことをまた1から積み上げていくことになります。
4月は1年で最も思い通りに時間が使えない月なんです。その4月がやっと終わったらゴールデンウィークに入るし、結局、1月から時間に向き合い始めたつもりが、ゴールデンウィーク明けまで向き合いきれない、なんてことになりかねません。それはもったいないですよね。
なので、10月から今の時間の使い方を整えておいて、新しい1年を少しでもスムーズにスタートできるように、10月スタートにしています。
年内に整えておけると、翌年の上半期終わった時点でもうやりきった感があるんですよ。「よーし、もう今年はOK!」と思えるので、ぜひこのパターンを取り入れて、みなさんにも充足感を味わっていただきたいです。
▼仕事も暮らしも心地よく整う手帳術を知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
塚本 あずさ さん Instagram
https://www.instagram.com/azusa.4kidsmama
インタビュアー:吉武 麻子
編集:はせべ あつこ