タイムコーディネート手帳で人と比べずに自分の道を進めるように vol.62

自分にとっての心地よさを考える暇もなく、がむしゃらに頑張り続けてきた井野ともみさん。タイムコーディネートの考え方を取り入れたことで、毎日をあたたかな気持ちで終えられるようになったそう。人生が変わったという井野さんに、タイムコーディネート手帳の使い方や使ってからの変化を伺いました。

※本記事は2024年8月2日にお送りしたInstagramライブ配信「私の時間と手帳の付き合い方」でのインタビュー内容を再編集したものです。

井野 ともみ さん
整理収納アドバイザー

1981年11月生まれ。千葉県野田市在住。
夫・娘(18歳)・息子(12歳)・リン(チワワ)・ふく(柴犬)の4人と2匹で暮らす。

幼少期から間取り図が好きで、大学では建築を学ぶ。設計事務所に入社するも、毎日午前様なハードな仕事に疲弊し、結婚を機に退社。出産後はインテリアショップや倉庫でパートを続けるものの、住宅関係の仕事への未練を捨てきれずにいた。2020年、コロナ禍で仕事が一旦ストップしたことをきっかけに、整理収納アドバイザー1級を取得。その後起業し、190件以上、1200時間以上の整理収納サービスを提供している(2024年6月現在)。

20代の頃、相次いで両親を脳卒中で亡くした経験から、人生のはかなさ、日常のありがたさを痛感。限られた人生を思いっきり楽しんで欲しいという想いが活動の原動力となっている。

Instagram:https://www.instagram.com/wellbeing_comfort/

目次

心地よさは頑張った後に手に入るご褒美だと思っていた

吉武 麻子(以下、吉武):タイムコーディネート手帳を使おうと思ったきっかけを教えてもらえますか?

井野 ともみ さん(以下、井野):1年ぐらい前にInstagramの広告で目にしたことがきっかけです。「自分の心地よさを探究し、ありたい未来をつかみにいく」というタイムコーディネート手帳のコンセプトを見て、そんなことができたら最高だな、と思ったんです。

それまで、自分にとっての心地よさなんて考えたことがなかったし、心地よさはがむしゃらに頑張った後にようやく手に入るご褒美のようなものだと思っていました。

吉武:実際に、タイムコーディネート手帳を使って、心地よさは感じられるようになりましたか?

井野:最初は自分にとっての心地よさがわからなくて戸惑いました。

『ビジョン逆算シート』を記入するときにも、整理収納アドバイザーならこうなるべき、整理収納アドバイザーの目標といえばこんな感じ、といった具合で、最初は自分のことを置き去りにしていました。自分にとっての心地よさを軸に考え直すと、それまで書いていたことも嘘ではないけれど、もっとこうありたいという思いがだんだんと出てくるようになったんです。自分の本心からのビジョンが明確になると、ビジョンに向かう毎日もとても心地よいものになりました。

吉武:がむしゃらに頑張ることが前提で、ビジョンや目標も考えてしまっていたんですね。

井野:起業したからにはがむしゃらに頑張ることが当然だと思っていました。起業してからの3年はまさにがむしゃらに頑張ってきたし、それも大事だという気持ちは今もあります。多分、心地よさだけを追求する手帳であれば、私には響かなかったと思います。頑張りたい気持ちもあるから、心地よさを追求しながらも「ありたい未来をつかみにいく」という言葉が刺さりました。

吉武:日々を心地よく過ごすことも、ありたい未来を叶えることも、どちらも大事にしたいですよね。

井野:タイミングもすごく私にハマったんだと思います。きっと起業初期だったらアクセル全開で周りが見えていなかったと思います。実際にがむしゃらに一定期間やってみて、このままでいいのかな? と思っていたタイミングだからこそ、自分に必要なものだと確信できました。

吉武:誰にでも、アクセル全開で目の前のことに夢中になる時期はあると思います。ただ、全力で走ってみると、このペースでは走り続けられないことがわかるはずです。心地よさがないと、どれだけ頑張りたい気持ちがあっても、頑張り続けることはできないんですよね。

まずはタイムコーディネートの基本を取り入れる

吉武:ともみさんが変化する具体的なきっかけは何かありましたか?

井野:まず、睡眠時間を削ることをやめました。みんなも頑張っているし、私も寝ないで頑張らないと! と思っていましたが、睡眠時間は削ってはいけないと意識を変えました。

あとは、自分にとって「重要だけれど緊急ではないこと」に時間を使えるようになりました。これまで、訪問サービス以外は仕事という感覚がなかったんです。私のことやサービスを知ってもらうために、Instagramの投稿も大切な仕事のひとつです。なのに、そのための時間を確保せずに隙間時間で無理やり対応していました。目の前のことだけでとっ散らかっていた状態から、少し先を見て時間を使えるようになったことが大きな変化です。

吉武:睡眠をしっかり取って、「重要だけれど緊急ではないこと」に取り組む時間を確保する。まさにタイムコーディネートの考え方のベースです。基本が整うことで、がむしゃらに頑張ることを手放せますよね。

井野:自分の軸も整ってきたので、人と比べなくなりました。誰かのことをすごいと思ったとしても、そのことで自分を卑下することはありません。自分は自分の道を着実に進んでいると思えるから、すごい人には心からの拍手を送って終わり、です。

目的地への行き方に固執しすぎない

吉武:ともみさんが特に気に入っているページはありますか?

井野:『3ヵ月プロジェクトシート』ですね。これまで、1年後の目標と今日のやることは考えていました。ただ、その2つを繋ぐものがなかったんです。3ヵ月という絶妙な期間で目標に向けて何をするかを考えられるようになりました。

とはいえ、ようやく3ヵ月単位で考えられるようになったところなので、以前書いた『3ヵ月プロジェクトシート』を全部消すこともあります。

吉武:『3ヵ月プロジェクトシート』を書き直すのは、時間の見積が甘くて3ヵ月では取り組めないことが理由ですか? それとも今取り組むのはこのプロジェクトではないと気づいたことが理由ですか?

井野:後者ですね。ビジョンが固まっていなかったから、3ヵ月前に考えたプロジェクトに違和感を覚えることがありました。けれども、書き直すことにはなったとしても、計画を立ててみたからこそ気づけたこともあるので、すべてが無駄じゃないと思えています。

井野さんもお気に入りの『3ヵ月プロジェクトシート』

吉武:目の前にあるタスクだけを一生懸命こなしていると、自分の望む方向とはズレていても視野が狭くなっているから気づけないんですよね。

まずは自分がどう生きたいか、後悔しない生き方は何か、目的地となるものを明確にすることが大切です。もちろんすぐに言語化できることではありません。試行錯誤しながら時間をかけて少しずつビジョンが定まってくると、目的地がブレなくなるんですよね。

井野:以前の私にとっては、手段が目的になっていたように思います。

たとえば、100人規模のセミナーを開催する計画を立てていたけれど、本当にそのセミナーをやりたいかを改めて考えてみると、別にセミナーじゃなくてもいいんですよね。ビジョンから3ヵ月プロジェクトに落とし込むことは少しずつ少しずつできるようになってきています。

吉武:私も出版や法人化は目的ではなく、手段です。私は世の中の人、特に子どもが「生きることは楽しい」と思える社会をつくりたい。これが目的です。そのために、出版はより多くの人にタイムコーディネートの考え方を知ってもらうため、法人化は本を出すにあたって、より著者の信頼性を高めるために選んだ手段のひとつです。ここがクリアになっていると、手段で得られる成果だけに固執して疲弊することもないし、もっと視野を広げて自分がすべきことを考えられるようにもなります。

井野:私も目的地がだんだんと見えるようになってきて、怖さがなくなりました。私が行きたい方向はこちらで合っていると思えるから、たとえ失敗したとしても絶対学びは得ているから大丈夫だと心から思えるようになっています。

「感謝日記」で一日を心地よく終える

井野:最初、タイムコーディネート手帳の使い方が全然わからなかったので、まずは麻子さんのやり方を真似ることからはじめました。

ウィークリーページは仕事の始業時間と終業時間に線を引いて、可視化できるようにしています。

最近、バーチカルの寝ている時間帯のところに感謝日記をつけるようになりました。感謝といっても、日々のちょっとしたことです。息子が洗い物をしてくれた、頭痛がすると言ったら家族が心配してくれたとか、書き留めていなければ、忘れてしまう小さな出来事です。こういう小さな幸せをちゃんと感じられるようになりたいな、と思って書きはじめました。一日を思い出して書いている時間も心地よいんです。私、愛されているなって思えるから。

吉武:私も中学生の頃、その日の楽しかったことベスト3を毎日書いていました。意識的にポジティブなところに目を向けて振り返りをしないと、ダメ出しばかりになってしまうんですよね。

井野:一日の振り返りをすると、「あぁ、今日もいい一日だった」とあたたかいふわっとした気持ちになれて、その気持ちのまま眠れることが心地よくて気に入っています。

吉武:「今日もいい一日だった」は明日のエネルギー源になりますよね。

井野:私がこうやって、日々の小さなことにも感謝できるようになると、家族からも「ありがとう」と言われることが増えました。こうしなさい! と言うよりは、自分が行動してみせることが大事ですね。

時間が見通せるようになり無理なスケジュールを組まなくなった

井野:ウィークリーページでは、訪問サービスの仕事は黄色、緊急ではないけれど重要な仕事はグレー、プライベートはピンクと色分けをしています。

訪問サービスの仕事が多いと、疲れてしまって帰宅後は何もできません。逆に、プライベートの時間が多い週は余力があるので、緊急ではないけれど重要な仕事にも着手しやすいんです。実際に過去のページを見返してみても、ピンクが多い週はグレーの時間も多く取れています。

今は、翌週のウィークリーページを見たときに、黄色が多ければ、その週は最初からタスクを減らすようにしています。無駄に「今週は全然できなかった」と落ち込まずに、「今週はできなくて当然」と、俯瞰して考えられるようになったんです。

タイムコーディネート手帳_ウィークリーページ

時間を見通しやすいウィークリーページ

吉武:時間を見通す力は大事ですよね。物理的にタスクを増やすことが難しいと目で見てわかるから、調整できるし、スケジュールにストップをかけられます。反対に、今週は余裕があるからここで進めておこうと思えるんですよね。

時間が見通せるようになると、無理なく、タスクを実行できるようになるので、ありたい未来に向かって確実に前に進めます。

井野:タイムコーディネートを知って、時間の捉え方が本当に変わりました。時間の使い方が変わると、生き方が変わることを実感しています。

ワークショップや書籍、SNSなど、麻子さんの発信をすべて見たら、人生が大きく変わります。ぜひ一緒に楽しい人生を歩んでいきましょう! とみなさんに言いたいですね。

▼着実に、確実にモノも心も整えられるようになりたい方はまずInstagramをチェックしてみてくださいね。

井野 ともみ さんInstagram
https://www.instagram.com/wellbeing_comfort

インタビュアー:吉武 麻子
編集:はせべ あつこ

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