年間目標って意味あるの?仕事がはかどるだけじゃない年間目標の立て方3つのポイント

会社で年間目標を立てることを強制されてウンザリ。これまで年間目標を達成したことなんてない!そんな方にとって、年間目標は形だけで意味がないもののように感じるかもしれません。目標の立て方にはコツがあります。ちょっとしたポイントを意識するだけで、仕事がはかどり、日々の充実度も高まるとしたら、試してみたいと思いませんか。

本記事では、年間目標に意味を見いだせない方に向けて、目標を立てる理由やその効果的な立て方について解説します。

目次

目標が時間に追われる日々を変える

目標を立てることが苦手な方のなかには、目標は自分を縛り付けるもの、自分の継続力のなさを思い知らされるものだと感じている方も多いようです。

そもそも目標を立てるのは、自分の願いや本心を精査し、行動しやすくするためです。目標を達成するために計画通りの日々を過ごすことが目的ではありません。一般的に「計画倒れ」といわれるものは、自分の願いや現状に計画が合っていないというサインに過ぎません。サインをキャッチしたら、計画を修正すればいいのです。計画通りにできない自分を責める必要はありません。

また、自分が何を大切に思い、どういった人生を送りたいのかを明確にすることなくして、目標を立てることはできません。ここでは「ビジョン」と表現しますが、ビジョンは人生のテーマとも言い換えることができます。

自分のビジョンに合った目標に向けて、チャレンジする日々を想像してみてください。ただ時間に追われ、タスクをこなすだけの日々ではないはずです。

目標を立てると、自分の時間を自分でコントロールする意識を強く持つことになります。時間は追われるものではなく、自分でコントロールできるものなのです。

「組織にいる限り、自分の時間をコントロールすることは不可能だ」「会社員の自分にはビジョンなんて必要ない」そう思う方は、これからご紹介する3つのポイントを意識してみてください。

年間目標の立て方ポイント1:目標を「やらねば」から「やりたい」に変換する

会社に属している場合、まずは会社の目標・所属部署の目標が自分の意思とは関係なく決まります。トップダウンで自分のノルマを決められ、ノルマ=個人目標となるのであれば、それは意欲がわかないのも当然かもしれません。

目標は「やりたくてたまらない!」「実現できる自分になりたい!」そんな自分の内側からわき出る感情<内発的動機>のないままでは達成しにくいものです。

本来の目標は、常に内発的動機とともにあります。会社からのトップダウンで決められた目標をそのまま個人の目標にはできません。「やらねばならない」目標を「やりたい」目標に変えるひと手間が必要なのです。

たとえば、営業職で年間の売上目標が設定されたとします。

・新規顧客の開拓を月に○件獲得する
・過去の顧客に月○件アポを取る
といった、より具体的な目標を考えることはこれまでもされていたかもしれません。

けれど、これでは「やらねばならない」目標のままです。

・家族との時間を大切にするために18時までに退社したい!
そのために、
・展示会に2ヵ月に1回は参加し、多くの新規顧客と効率的に出会える機会をもつ

・3年後の転職に向けて、○○の知識を深めたい!
そのために、
・○○に関連する業界の顧客を洗い出し、訪問する

といったように、ノルマという「やらねばならない」目標を自分の価値観に合った目標、自分の成長欲を満たす目標に変換するのです。

他人から強制された目標が達成しづらいのは当然です。目標と自分の内発的動機とを結び付けることは、欠かせない、とても大切なひと手間だといえます。

年間目標の立て方ポイント2:時間の見積りは厳しめに

タスク毎に見積りとかかった時間を可視化できるタイムコーディネート手帳を使うのもおすすめ

繁忙期に、他部署から明日までのタスクを依頼されたら、あなたはなんと答えますか。「明日中に仕上げることは厳しいです」と答えるでしょう。ただ、期限が1ヵ月後だとしたらどうでしょう。「まだ先だし、なんとかなるだろう」と引き受けるのではないでしょうか。

・1日が24時間であること
・すでに抱えきれないほどのタスクがあること
・集中力はそれほど続かないこと
これは明日も1ヶ月後もさほど変わらないはずです。それなのに、1ヵ月後であれば、なんとかなるような気がしてしまうのはなぜでしょう。

これは、人が未来の時間に対して楽観的になりがちだから起こる「時間の見積りの甘さ」が原因です。

年間目標を立てるときには、この時間の見積りの甘さへの対処が必要です。そのための工夫として、以下のことを実践してみましょう。

・年間を3ヵ月に区切り、3ヵ月目標を4つ設定する
・タスクに対して見積り時間と実際にかかった時間を記録して、自分の処理能力を正しく把握する
・見積り時間の甘さを吸収できるバッファ(時間の余白)をスケジュールに入れておく

1年という長い期間にできることを正確に見積もることは困難です。だからこそ、変化に対応できる期間に目標期間を設定し直し、自分のできることを冷静に見極め、計画通りにはいかないことを想定した上で計画を立てればいいのです。

時間の見積りが甘くなりがちなことを意識するだけでも、目標の立て方は変わります。

年間目標の立て方ポイント3:手放す意識を持つ

目標達成のためだけに仕事時間のすべてを使えるわけではありません。だからといって、大切なプライベートの時間を減らすと、その歪みは別の形で現れます。

1日24時間という限られた時間で、自分の目標を達成するためには、何をするかではなく、何をしないかを意識することが非常に大切です。

これまで当たり前に自分がやってきたことを
・そもそも本当にやる必要があるのか
・他の誰かに任せられないか
・100%の完成度が必要か
といったように、手放せるものはないかを常に探す視点を持ちましょう。

やるか、やらないか、という二択で考えると手放しにくく感じるかもしれません。けれど、一部分だけでも・・・・・・と考えると、意外と手放せるものは見つかるはずです。

毎日を忙しく過ごしていると、習慣や思い込みから手放せるはずのものを抱え込んでしまいがちです。一週間に一度、振り返る時間を持ち、この一週間で手放せるものがなかったかを見直してみましょう。

年間目標自体にも自分の手放せるものが紛れていないかも確認してみてください。

仕事がはかどるのは心地よく過ごせているから

目標を設定したら、その目標を達成できるように、自分が行動し続けることが必要です。

その行動のエネルギー源となるのが、自分の人生のテーマといえる「ビジョン」です。今、取り組んでいることが、自分のビジョンに繋がっている実感を持てると、それは大きな力となります。

いきなり人生という大きな単位で考えることが難しい場合は、理想の1日を想像してみましょう。理想の一日には自分にとっての「心地よさ」が詰まっているはずです。

自分にとって心地よい時間の使い方ができれば、自然と人生の充実に繋がります。人生が充実すれば、仕事の生産性も高まります。仕事を効率化すれば生産性が高まると思われがちですが、そうではありません。効率化するだけでは、ただこなせるタスクの量が増えるだけだからです。

私たちが目指すのは人生そのものの生産性を高める、つまり、限りある時間をより豊かなものにすることです。そのためにも、自分にとっての「心地よさ」に敏感になりましょう。自分の心地よさを探究すれば、ビジョンも少しずつ明確になっていきます。

年間目標を立てることも自分の心地よさを探究することに繋がります。そして、自分の心地よさやビジョンをもとに立てた目標が達成できれば、人生全体の満足度が高まります。

あなたの年間目標はあなたの「心地よさ」を大切に立てられていますか。ぜひ年間目標を立てることを自分の心地よさを探究することと捉え直してみてください。きっと見え方が違ったものになるはずです。

執筆:長谷部 敦子
監修:吉武 麻子

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