タイムコーディネート手帳を使うようになって自分を責めなくなった vol.43

以前はできない自分を責めてしまうから手帳が嫌いだったという諏訪恵さん。今ではご夫婦でタイムコーディネート手帳を活用し、どんなに忙しい時期でもご自身のやりたいことを諦めず、最後までやり切ることができるようになったそうです。そんな諏訪さんにタイムコーディネート手帳の使い方について伺いました。

※本記事は2023年7月18日にお送りしたInstagramライブ配信「わたしの時間と手帳のつきあい方」でのインタビュー内容を再編集したものです。

諏訪 恵さん

認知科学コーチ/コミュニティマネージャー

元市役所職員。結婚出産を経て、暮らしを大切にしつつも、もっとやりがいを感じる仕事がしたいと思いライフシフトを決意。

個人での起業も経験した結果、「チームで働く」「支える」が好きであることに気づき、コミュニティマネージャーとしてサポート業をスタート。

2023年5月からは「個人とチームに伴走する」という、より自分らしくやりがいを感じるサポートの形を見つけ、認知科学コーチとして活動。自分の仕事に愛と誇りをもって活動する人と、個人の想いとビジョンが重なるチームを増やすべくセッションを提供している。

ひとりひとりに寄り添うフォローと熱いセッションに定評がある。

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目次

時間の見直しはログを取ることから

今は2歳になったお子さんがまだお腹にいた頃からタイムコーディネートを実践

吉武 麻子(以下、吉武):タイムコーディネート手帳を使い始めて変化したことを教えていただけますか。

諏訪 恵さん(以下、諏訪):はい。私には今、6年生、1年生、2歳になったばかりの子どもがいるんですが、この春は小学校入学や保育園入園もあった上に、認知科学コーチのスクールの追い込み時期でもあったんです。いろいろなことが重なってしまい、気持ちが折れそうになったこともありました。だけど、認知科学コーチは自分の思い描くゴールのためにはどうしても必要なものだったので、ここは諦めたくない、目標を下げたくないという気持ちが強かったんです。それをやり切れたというのが、最近のなかで一番大きな変化でもあり、自分の自信にもなった出来事でした。

吉武:素晴らしいですね。私もいつも「やり切ることが大事」ということをお伝えしています。恵さんは下のお子さんがおなかのなかにいる頃からタイムコーディネートを実践してくれているからこそ、その変化がうれしいです。

子どもがいると、その都度、自分の時間の使い方も変わってきますよね。小学校入学と保育園入園が重なるだけでも大変だったと思いますが、そのタイミングで自分のやりたいことをやり切るために、具体的に意識してやったことはあるんですか。

諏訪:「苦しくなったらログを取る」という麻子さんの教えを忠実にやり続けました。

子どもとは毎日一緒に過ごしているので、成長に気付きにくいんですよね。知らない間に成長して、いつの間にか昼寝の時間が短くなっていた、ということもありました。私が気付いていなかった子どもの成長や変化がログを取ることで分かったんです。

あとは、私一人で解決できることではないと思ったので、同じくタイムコーディネート手帳を使っている夫にも協力を求めました。お互いの繁忙期を確認して、それをどう乗り越えるかを話し合う作成会議の時間が持てたことも大きかったです。

吉武:「ログを取る」というのは、時間の使い方を記録する、ということです。記録を取ることで、今何にどれくらいの時間を使っているのかが明確になるんですよね。今の時間の使い方がわかると、理想の使い方とどれくらいギャップがあるのかがわかります。そのギャップが埋められるものなのか、明らかに理想論だから現実に寄せていかなくてはいけないのかが、判断できるようになるんですよね。

諏訪:そうですね。私が「なぜか時間が足りない」「なぜか苦しい」と感じていたのは、子どもが成長してお昼寝の時間が短くなったことで、そもそも自分が見積もっていたよりも使える時間が減っていたことに原因がありました。

あとは、自分が本当にやりたいことではないから、心が乗らなくて動き出しが遅かったり、1つのタスクにかけている時間が思っていたよりも長くなっていたり・・・・・・ということもログをつけたことでわかったんです。

「どうしてこれだけ長い時間がかかっているんだろう?苦手だからなのかな。そもそも本当はやりたくないのに、勝手にやらなきゃいけないって思い込んでいるのかな。」そんな風に、振り返りながら作戦会議で整理をしていきました。

吉武:本当に素晴らしいです!

デジタルからアナログ手帳へ変えて得たもの

吉武:こんなにタイムコーディネート手帳を活用してくださっている諏訪家ですが、驚くことに特にご主人はアンチ手帳派だったんですよね。

諏訪:そうなんです!「手帳はいらない。スマホで十分」と言っていました。仕事も会社のイントラネットのなかでスケジュールがシェアできる形になっていたこともあり、アンチ手帳派でした。

2024年の手帳が発売スタートした時も「最近書けてない日もあるから、2024年は手帳をやめようかな」と最初は言っていたんです。けれど、私が何か言う前に「でも手帳を書けていた時の方が絶対良かったんだよ!」って。手帳の効果を実感しているようでした。

吉武:嬉しいですね。手帳の必要性を感じていなかったご主人が最初にタイムコーディネート手帳を使ってみようと思ったきっかけは何だったんでしょう。

諏訪:きっかけは私がお勧めしたから、というのはあると思います。普段から、Weeklyに自分のタスクを書き出しては「こんなに私って抱えてたんだね」って夫に話していたので、手帳の使い方も効果もイメージしやすかったのかもしれません。

それと、昨年の夏休みに息子とタイムコーディネート手帳を使っていたんです。息子と毎晩「明日はどんな時間にしたいか」と手帳時間を取っていたのを見て、自分もやってみようかな、という気持ちになったのだと思います。

吉武:夫婦で子どものこともシェアしつつ、お互いの状況や時間の使い方を実際に目で確認しながら話し合えるのは、アナログ手帳のいいところですよね。ご主人はタイムコーディネート手帳をどんなところで活用されていますか?

諏訪:仕事に行くと、どうしても周りからの頼まれごとに忙殺されてしまうみたいです。なので、以前は残業でやりたいこととの帳尻を合わせている感じでした。今は、「子どもと一緒にこれをやりたいからこの日は休みにしよう」とか、次の日や私の予定を踏まえて「この日は在宅ワークにしよう」と自分の予定を先取りできるようになっています。先を見据えて仕事量を調整するようになって、時間をコーディネートできているな、と感じます。

夫婦で手帳時間が楽しめる『5つの「私」役割シート』

吉武:恵さんにとって、特に活用しているタイムコーディネート手帳のページはありますか。

諏訪:一番使っているのはWeeklyページです。時間の使い方を見直したいときにはログを取って、Weeklyページにある「成果」「改善」「手放し」の振り返りをするサイクルを回しています。

振り返りができるスペースもある『Weekly』

書いていて一番楽しいのは『5つの「私」役割シート』ですね。夫の年齢と自分の年齢、子どもの年齢を書くといいと手帳の使い方ワークショップで教えていただいたので、実践しています。

ご夫婦のコミュニケーションツールとしても活用してくださっている『5つの「私」役割シート』

『5つの「私」役割シート』を見ながら、「意外と私達が子どもと過ごせる時間はあとこれだけしかないよ」や「この頃にこういうことがやりたいね」といったことを夫婦で話しています。そこから日々をこう過ごしたい、といったより具体的なところにも落とせるので、『5つの「私」役割シート』で理想のあり方を俯瞰しながら、Weeklyで日々のサイクルを回していけるところが気に入っているところです。

吉武:日々の時間の使い方を調整することはもちろん大事だけれど、そもそも何のためにやっているのかを見失うと、時間をコントロールしているつもりでも、実は時間にコントロールされている状況になってしまいます。

自分たちも年を重ね、子どもたちも自立していく時間の流れのなかで、今ある時間の大切さが『5つの「私」役割シート』で見て取れます。その上で、Weeklyで目の前の時間をどう作っていくかが決まるんですよね。

諏訪:そう思います。あと、『5つの「私」役割シート』は3年後の「私」を書く欄もありますよね。そこに向けての種まきも日々に忍ばせたいと思っています。なので、「今年の夏休みはここの実現に向けてこんなことをしてみたいね」と夫婦で話し合うのも楽しくて、『5つの「私」役割シート』は夫婦の手帳時間には欠かせないですね。

ログから原因を切り分ける

吉武:うまくいかないと感じるときにはログを取っているということですが、恵さんのなかでログを取るときに注意している点はありますか。

諏訪:コミュニティ運営のサポートをしているんですが、メンバーさんから連絡があると、私はすぐにレスポンスを返したくなるんです。それは、「返さなくちゃいけない」と思っているのではなく、「返したい」と思ってのことなんですが。だから、連絡があるとパッとスマホを手に取って、すぐに返し始めてしまうんですよね。元々スケジューリングしていたタスクではないから、自分のなかで時間を使っているという意識がずっとありませんでした。でも、こういった突発的な対応も含めて、ログを取るときにはしっかり記録するようにしています。

吉武:突発的な対応って時間の使い方への影響が大きいですよね。すぐに返事ができることもあれば、しっかりと考えて返さなくてはいけないこともある。そんなときに、どこからその時間を捻出するか?ということですよね。

諏訪:そうなんです。しかも私は定型文ではなく、一人一人にちゃんと返事をしたくなる性分で、それを楽しんでいるところもあります。だから、結構な時間を使っていたんですよね。実際にログを取ってみると、かなり業務を圧迫していたことがわかりました。

吉武:想定以上に長い時間を使っていた時にはどう対応するんですか?

諏訪:長くなってしまう理由を考えます。

すごく想いを込めて長文を書いているから長くなるときもあれば、判断に迷ってなかなか返事が書けないから長くなるときもあるんです。前者は思う存分時間を使えばいいと思っているんですが、後者は事前の準備で短くすることができます。なので、判断に迷う材料がどこなのか、事前にどんな準備をしておけば判断に迷わずに返信できるのかを考えます。

ログを取って振り返るときに、時間がかかる原因を切り分けることで対応策が見つかりやすくなります

吉武:素晴らしいです!

丁寧な振り返りは自分責めをなくす

吉武:恵さんが「レスポンスすることがすごく好きで」とおっしゃっていましたが、以前の恵さんであれば、レスポンスに時間がかかる状況を「自分のせいだ」「また予定通りに進めなかった」とネガティブに捉えていたようにも感じます。でも今は、自信を持って「これが自分は好き」とおっしゃっています。自分の価値観を理解して、その価値観に沿って優先順位をつけられるようになっていますよね。

諏訪:それは自分でも実感しています。以前は、振り返りがうまくできないことが多かったんです。私は元々タスクを抱えることが苦手です。なので、手帳を使うことでタスクがこなせていない現実を知り、そんな自分を責めるくらいなら手帳は使いたくないと思っていました。でも、今はそういう思考回路ではなくなりました。

1つのタスクにすごく時間がかかったとしたら、それには必ず原因があります。嫌だからなのか、迷うからなのか。どういう状況だと時間がかかるのか、ストレスを感じるのかを丁寧に整理していく習慣がつきました。なので、変なところで自分を責めなくなりました。もちろん、反省すべきところはするけれど、「改善すればいい」と思うようになったんです。

吉武:本当にそうですよね。しかも、好きなことに時間を確保した上で、残りの時間をどう使うのか、しっかりとコーディネートができているのが素晴らしいです。

一見無駄に思える時間も大切な時間

諏訪:たとえばネットサーフィンの時間は一見無駄に思える時間です。でも、私はライブ配信などで人の発信を受け取る時間がすごく好きだし、そこから何かが始まることも多いんです。私にとっては発信を受け取る時間を手放すと、自分にとって大事なところがなくなってしまうんだという気付きもありました。

吉武:いいですね。タイムコーディネートでは「手放す」ことが大事だとお伝えしています。なので、一般的に無駄だと思われるものを排除してみる方も多いんです。でも、実際に手放してみると、逆に効率が悪くなったり、自分のモチベーションが上がらなくなったりと不具合が生じてしまうことも多くあります。一見無駄に思えることでも、自分にとって大事なものは手放してはいけないんですよね。

諏訪:私は1回夫との晩酌の時間を手放してみたことがあるんですが、その後、家が回らなくなりました。

吉武:そうなんですよね。

諏訪:一般的には早く寝て、睡眠時間を確保した方がいいのかもしれない。でも、私たちにとって、夫婦だけで過ごす時間はすごく大事な時間だったんです。その時間で作戦会議をしたり、一緒に映画を観て感想を言い合ったりして、お互いの価値観を再度確認し合うことがあるんです。なので、晩酌の時間は捨てずに取っておく時間にしました。

吉武:素敵ですね。

心地よくあるために手放した時間

吉武:恵さんのなかで「これは手放さない」と決めた時間のお話を伺いましたが、逆に手放すと決めた時間はありますか?

諏訪:手放さないと決めた時間でもあるんですが、人の発信は取捨選択するようにしました。義務感から聞いていたライブ配信は手放し、メルマガを全部読むことも手放しました。

吉武:確かに、今は情報がすごく溢れているし、お付き合いもあるから、いろいろ登録することもありますよね。けれど、それで自分が回らなくなってしまうのは本末転倒だから、ある程度線引きしていく必要があります。

諏訪:あとは、プライベートなことでいうと、学校のイベント関係は夫にすべて任せることにしました。日付を決めるといった1つ1つは小さなことなんですが、私にとっては本当に煩わしくて苦手だったので、得意な夫にお任せしています。

吉武:いいですね。ご夫婦でタイムコーディネート手帳を使っているからこそ、現状や理想の時間の使い方をお互いが理解できるし、それぞれの強みもわかるんでしょうね。こういう会話ができるのは、すごく素敵な夫婦関係だと思います。

諏訪:いきなりこんな風になったわけではなく、手帳とともに歩んできて、今ここに至るという感じですね。

吉武:すごくうれしいです。アンチ手帳派だったご夫婦が、タイムコーディネート手帳を使ってこんなに変化してくれるなんて!

諏訪:最近、夫が手帳を使えていないことは見ていてわかるんです。だから、2024年の手帳はいらないと言うかもしれないと思っていたのに、「今は使えていないけれど、自分にはタイムコーディネート手帳が必要だ」と夫が感じていたところに、また少し価値観が近くなったのかなと私自身もすごくうれしかったですね。

吉武:手帳がかけない状況というのは、今はそこにエネルギーを注げない程に他が大変なのだということも見えてきますよね。ご本人もそれがきっとわかっているんですよね。

諏訪:そうなんです。私から見ていても、今はすごくいっぱいいっぱいになっているんだろうなって感じます。そんな夫に私は何をしてあげたいかな?と考えています。

吉武:そう思えることが素敵ですね。

諏訪:最初は、多分夫もだと思うんですが、何せアンチ手帳派だったので、半信半疑なところがあったんです。でも、夫婦ともにタイムコーディネートを実践することが習慣になって、いい時間を持てている実感がお互いにあります。

吉武:ありがたいです。諏訪家のようにご夫婦で使ってくださる方も増えてきたし、恵さんが最初におっしゃってくださったんですが、お子さんとタイムコーディネートの話をするご家庭も増えてきました。手帳に書き込むことはまだ難しくても、お母さんと話をしながらタイムコーディネートを実践してくれているのは、すごく嬉しいです。

2024年は具体的なプロジェクトを動かす一年に

吉武:恵さんは2024年に向けて、ワクワクしていること、手帳に書くのが楽しみなことはありますか?

諏訪:2023年は『3ヵ月プロジェクトシート』をあまり活用してこなかったんです。どちらかというと、大きなプロジェクトに向けて、自分がどうありたいかを整える一年でした。なので、2024年は『3ヵ月プロジェクトシート』を使って具体的に動いていきたい気持ちに久々になっています。

吉武:いいですね。『3ヵ月プロジェクトシート』は「何かやらなきゃ!」みたいな気持ちでスタートしてしまうと、「いっぱい書いたのに何も進まなかった」ということになりかねません。まずは恵さんのように、時間をかけて『5つの「私」役割シート』や『VISION逆算シート』を使って、自分の価値観や理想の時間の使い方・生き方を明確にしてほしいです。

Weeklyで自分の価値観やありたい未来に繋がる時間の使い方ができているかを実際に確認しながら、さらに自分の価値観や理想の生き方を迷いがないものにしていきます。そうやって自分の土台が揺るぎないものになってくると、具体的に、もう少し未来に向けてプロジェクトを動かしてみようかって思えるんですよね。

恵さんとはこうやって定期的にお話していますが、すごく変化を感じます。

諏訪:嬉しいです。2024年はコーチングをもっと届けていきたいので、『3ヵ月プロジェクトシート』を活用して、タイムコーディネート手帳に併走してもらおうと思っています。

吉武:ありがとうございます!最後にみなさんへメッセージをお願いします。

諏訪:以前はタスクをやりきれずに自分を責めて、それが嫌で手帳嫌いになっていた私ですが、タイムコーディネートは追われる感じがないんです。自分自身に向き合うための壁打ち相手になってくれるような、自分を俯瞰して見られる手帳だと思います。自己理解を深めたい方、タスクに追われて自分を責めてしまう方にはぜひ手に取ってもらいたいです。

たくさんの人に届いて、ご家族みなさんで使っていただけたら、私も一ファンとして嬉しいです。

吉武:恵さん、今日はありがとうございました。

諏訪:ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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