タイムコーディネート手帳は自分にとっての心地よさを追求できる手帳 vol.37

リノベーションを中心に、心地よい家づくりを提案している一級建築士の大塚彬子さん。やりがいを持って取り組める仕事ではあるものの、子どもと過ごす時間を優先できないことに後ろめたさも感じていたそうです。タイムコーディネートの考え方を取り入れることで、自分を責めることがなくなったという大塚さんに、時間の使い方がどう変化したのかを伺いました。

※本記事は2022年12月15日にお送りしたInstagramライブ配信「タイムコーディネート手帳が私たちにもたらしてくれたもの」でのインタビュー内容を再編集したものです。

大塚 彬子 さん

一級建築士/インテリアコーディネーター
ライフオーガナイザー

早稲田大学理工学部建築学科卒業後、2004年に旭化成ホームズ株式会社に入社し、注文住宅の設計に従事。2010年からTimberyardにてデザイン住宅の設計とインテリアコーディネートに携わる。


2018年に独立し、アイエ一級建築士事務所を立ち上げる。「家づくりや暮らしづくりを通して、もっと幸せになれる人を増やしたい」という想いを胸に、リノベーションを中心に活動中。また、単なる素敵で終わらない家と暮らしづくりのヒントを届けるべくインテリアの長期講座も開催している。

Instagram:https://www.instagram.com/aco_1206/

目次

仕事をがんばることに後ろめたさは必要ない

吉武 麻子(以下、吉武):タイムコーディネート手帳を使う前に、彬子さんはどんなお悩みをお持ちでしたか?

大塚 彬子さん(以下、大塚):日々の忙しさに追われ、やりたいことに取り組むことができずにいました。

麻子さんに相談したときにアドバイスいただいたのは、「自分との約束が守れないなら、他の人と約束するといいよ」というものでした。アドバイスを即実行して、そこからはうまく進むようになりました。

吉武:それはよかったです!タイムコーディネート手帳を使ったことで、変化はありましたか?

大塚:タイムコーディネート手帳を使うようになって大きく変わったのが、心の持ちようでした。

『5つの「私」役割シート』を書いたときに、すごく仕事をしたいと思っている自分に気付いたんです。それが大きな発見で、思い切り仕事を頑張ってみよう!と踏み切るきっかけになりました。

子どもがいるので、仕事をがんばる自分=子どもとの時間を優先できない自分、という図式になりがちでした。だから、仕事をがんばりたいと思う自分に後ろめたさを感じていました。けれど、「今は仕事をがんばる期間。これが終わったら子どもとの時間を優先しよう!」と、期間で気持ちを切り替えられるようになったんです。

吉武:そうなんですよね。小さいお子さんがいるとどうしても時間は必要になります。とはいえ、仕事もがんばりたい気持ちもありますよね。どちらも大事だと思うし、どちらを優先するのかは、自分自身が決めることです。

彬子さんは優先して整えたいのが仕事だったから、期限を決めて集中することを選んだ、ということですよね。その後、お子さんと旅行に行かれていましたよね?

大塚:はい。子どもがお休みのときには必ず旅行する、ということを先に決めて、仕事をスケジューリングしていました。

吉武:仕事を優先することに罪悪感を持つのではなく、いいプレッシャーにして動けたということですよね。

自分への信頼度が増したら悩みがなくなった

吉武:ビジネスが安定した今、タイムコーディネート手帳を使い始めた頃とは違うお悩みが出てくることはありますか?

大塚:それが悩むことが本当になくなったんです。とても心地よい時間を過ごせている実感があります。

吉武:素晴らしいですね!ご自身でやると決めたことを実現していく経験を通して、自分への信頼度が高まったということでしょうね。自分がやると決めて実行すれば、実現可能なんだ、ということが腑に落ちたからこそ「悩むことがなくなった」という表現になるのかな、と感じました。

大塚:もうその通りです(笑)。

吉武:悩みというのは、細かく見ればきっといくらでも出てきます。けれど、自分への信頼感があれば、自分は解決できると思えるから、「悩みがある」という自覚もなくなるのでしょうね。

自分を責めずにリスケすればいい

大塚:麻子さんが「自分を責めなくてもいい」「自分を責めることはやめてください」と何度も伝えてくださったことにも励まされました。

そのおかげで、自分がスケジューリングしたことができなかったとしても、自分を責める必要はない。リスケすればいいんだ、と思えるようになりました。

タイムコーディネート手帳を使う前は、何をしていても自分を責めていたように思います。のんびりしている時も「こんなにのんびりしていたらダメなんじゃないか?」と思ったり、仕事をしている時も「もっと頑張らなくちゃいけないんじゃないか?」と思ったり。常に、自分を追い詰めているような感覚がありました。

けれど今は、思い通りにスケジュールが進まない時も「なんだか今はそういう時期みたい」と受け入れられるようになりました(笑)。

吉武:どうしてもうまく進まないときはありますよね。

大塚:そうなんです。「そういう時もある」と思えるようになったのが大きな変化です。そして、自分の決めた日付に縛られるのではなく、自分の気持ちに従って動けるようになってきました。

吉武:計画通りにいかなくても、それは計画の立て方に問題があるだけです。ご自身に問題があるわけではないんですよね。だから、自己否定をしないでほしい、ということは、もう何度も何度もお伝えしています。

大塚「出来た!」を積み重ねられたおかげで、「自分はやればできるんだ」と思えるようになりました。だから、自分を不必要に責めることはなくなりましたね。

吉武:すごく嬉しい変化ですね。

人の手を借りることで得られるもの

大塚:タイムコーディネート手帳を使うなかで、「手放す」ことを意識するようになりました。ただ、ずっと自分一人でやってきたので、人の手を借りることに対してのハードルがどうしてもあったんです。けれど、やっぱり誰かと一緒にやると、いいものができるということがこの1年ですごく身に染みてわかりました。

吉武:早く、しかもクオリティ高くアウトプットするには、やっぱり一人だけの力では限界がありますよね。自分が手放したいことを得意で好きな方に手を借りると、より早く前に進めます。そのうえ、ベースの価値観を共有し合える方だと、相乗効果でさらによい方向にも進んでいけるんですよね。これを一度経験すると、「もう一人で抱えてなんていられない!」という感じになってきますよね(笑)。

大塚:本当にそうですね。そして、手を借りる人の探し方も麻子さんからは学ばせてもらいました。

吉武:結局、誰の手を借りるのか、も「自分で決める」ことが大切ですよね。何を基準にして、どんな方にお願いするのか、どんな目的のためにお願いするのか。そこは自分で判断して決める必要があります。なので、うまくいかなかった時には、手を貸してくれた方が悪いわけではないんですよね。自己責任なんです。それは自分を責める、ということではありません。自分が責任をもってその経験を糧にして、次に繋げていけばいいんです。

大塚:失敗したと思ったときにも、「どんなところに違和感があったのか」とか、「どういうところで私は手を借りたいのか」といった点が、とても具体的になりました。だから、もはや失敗ですらないし、捉え方の問題だと思えるようになりました。

吉武:素晴らしいですね!

幸せログで自分をより深く理解する

吉武:タイムコーディネート手帳のお気に入りの使い方はありますか?

大塚:1年目は、スケジュールがいっぱいだったので、ウィークリーページにはタスクをひたすら書いている感じでした。けれど、今はそういうことは一旦おしまいにしました。スケジュールの組み方が変わってきたこともあって、余白が増えてきたんです。なので、余白部分にその日幸せに感じたことや、心が豊かになったことを毎日メモしています。

吉武:とてもいい使い方をされていますね。

最初は実行力をつけていくためにもタスクにどのくらいの時間がかかるかをチェックする必要があります。けれど、実行力がついてくると、どんな人生を生きたいのかや、どんな時間の使い方をしたいのか、というところにより関心が向くようになるんですよね。

それは、自分が楽しく感じることや幸せだと感じることにどれだけ時間を使えているか?ということにつながります。だからこそ、自分がどんなことに心が動くのかを自分自身で知っておく必要があります

大塚:この使い方は、麻子さんが中学生の時に「今日一日で楽しかったことベスト3」を手帳に書いていた、というお話からヒントをもらいました。

吉武:そうなんです。私自身、子どもの時から楽しいことをする時間を増やす、という考え方をベースに過ごしてきました。だからこそ、今も心が満たされているし、満たされているからやるべきことやりたいことへエネルギーも注げます。ベースを整えておく、というのはとても大事なことですよね。

今と未来の両方を大事にする

吉武:人は1日24時間しか使えないから、すべてを一気にやることはできません。まずは、何を整えたら自分が安心して心地よく生きていけるのかを明確にする。そして、実現に向けて、順序立てて取り組んでいく必要があります。

彬子さんの場合は、最初の一年でまずはビジネスを整えて、次に家族との時間・・・というように、ご自身の幸せにとって今一番必要なものが何かをしっかりと自覚できていて、そこにフォーカスできていますよね。だからこそ、バランスがどんどん整ってきているように感じます。

大塚:そうですね。バランスがすごく大事だな、と私も思います。仕事ばかりで走り続けると多分どこかで倒れてしまう。今、子どもたちとの時間を存分に楽しめたとしても、子どもがいざ独立した時にひとりぼっちの自分は望む姿ではない。だから、今も大事にするけれど、未来も大事にする。そんな自分にとってのベストバランスを今は探っている最中ですね。

吉武:こうあるべき、というものはもちろんなくて、100人いれば100通りのバランスがあります。だからこそ、「自分で決める」ことが必要ですよね。

自分で決めるために軸になるのは、やっぱり「自分はどう生きたいのか」です。今だけではなく、未来も含めて。タイムコーディネート手帳は、今と未来の両方の視点から時間の使い方を決められるのがポイントのひとつです。

手帳は部分的に使ってもいい

吉武:手帳はあくまでツールだから、「正しく使おう」「ちゃんと使い切ろう」なんて思わなくてもいいんです。今の自分に必要な部分だけでいいので使っていただきたいです。

今はタスクを詰め込みすぎてアップアップしているのか、もっと子どもとの時間を大切にしたいのか、目的によって集中して使うページも変わってくると思います。タスクだけをただ書くのは辛くなってしまうので、自分が毎日を楽しめる使い方をしていただきたいです。

大塚:今が幸せで満たされた時間の使い方ができているのであれば、手帳も必要ないかもしれないですよね。

吉武:本当にそうなんです。ご自身にとっての手帳を使う意味・目的をまずはしっかりと掴んでください。それができると、自分に合った使い方が自ずとわかるはずです。

タイムコーディネート手帳はすべての人にオススメできる手帳

吉武:タイムコーディネート手帳はどんな方にオススメの手帳だと思いますか?

大塚:私はすべての人にオススメできる手帳だと思っています。

吉武:嬉しいです!

大塚:起業している人はもちろんですが、幼稚園ママさんにも『3カ月プロジェクトシート』はとても便利だと思うんです。例えば、卒園式といったプロジェクトを達成するためにも使えますよね。あとは、子育てに忙しくて、ご自身のことを後回しにしている人は『5つの「私」役割シート』を書くだけでも気付きを得られると思っています。

吉武:『3カ月プロジェクトシート』は名前だけをみると、ビジネス用だと思われがちですが、全然そんなことはありません。旅行の計画や家族のプロジェクトにも、もっと自由に使っていただきたいです。

これまで年間目標を立てたことがある方も多くいらっしゃると思います。けれど、年間目標は忘れてしまったり、達成しにくかったりしませんか?それを「3カ月」という単位でみると、自分のやりたいことも分解しやすくなります。やりたいことを分解できると実行しやすくなるんです。

タイムコーディネートの考え方では、この3カ月で見るということをとても大事にしています。

大塚:ひとつのプロジェクトでも分解してみると、いろいろなことを進めなくてはいけないことがよくわかります。やるべきことが可視化できる『3カ月プロジェクトシート』はすごく便利ですよね。

心地よさをとことん追求する

吉武:これまでのお話を伺っていると、今はご自身の心地よさを大事にする時間の使い方ができている、ということですよね?

大塚:そうですね。今は心地よさをさらに追求しはじめています(笑)。

吉武:素晴らしいですね!心地よさを追求するなかで、新たに気付いたことはありますか?

大塚:コミュニケーションの取り方を意識的にオンラインからオフラインに切り替えてみたんです。オンラインの発信を一旦やめて、身近な人とのつながりを大事にできる時間の使い方に変えてみました。

実際にやってみると、オンラインで発信するために「書く」ことで私自身の気分が上がることもあったんだという発見がありました。また、オンラインのやり取りでも感動できることはあると思い直したりも。実際に一旦とめてみたことで、オンラインの良さを再確認できました。

なので、もう一度オンラインのつながりを育むことに時間を使ってみようかな、と思っているところです。

吉武意識的に時間の使い方を変えて、自分にとっての心地よさを探求するというのはすごくいいですね。

最後に、彬子さんのお仕事についても聞かせてください。

大塚:はい。タイムコーディネート手帳のワークショップでもみなさんの声を聞いて感じたことなんですが、家事に悩んでいる方がとても多いんですよね。

たとえば、水周りだけでも自分仕様にできると、本当に心地よく暮らしが回ります。実際、私は家事に対する不満はひとつもないんです。なので、より豊かな暮らしにする方法を知っていただくための講座を開催しています。

吉武:すごく気になります!(笑)情報を知りたい方はどうすればいいですか?

大塚:まずはメルマガにご登録いただけるとうれしいです。「私も家族も満たされる、自分史上最高の住まいづくり完全ガイド」もプレゼントしているので、ご興味のある方はぜひ受け取ってください。

大塚 彬子さんメールマガジン
https://mail.akikomaeda.com/

吉武:「心地よさ」を空間でも実現できるとステキですよね。

本日は本当にありがとうございました!

大塚:こちらこそ、ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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