タイムコーディネート手帳は自分を愛おしく思える手帳 vol.38

周りからは「デキる人」と評され、自身も行動力には自信があったという市川千晶さん。タイムコーディネート手帳を使いはじめて、がんばり過ぎている自分にようやく気が付いたそうです。「手帳で整うのは時間だけでなく人間関係も」と語る市川さんに、タイムコーディネート手帳を使ってからの変化について、詳しく伺います。

※本記事は2022年12月20日にお送りしたInstagramライブ配信「タイムコーディネート手帳が私たちにもたらしてくれたもの」でのインタビュー内容を再編集したものです。

市川 千晶 さん

HSS型HSPのライフサポーター

物心ついたときから「人とは違う感覚」に苦しむ経験を重ねる。

親の仕事で渡英後、ミュージカルと読書に熱中する。帰国後は、高校ではバトン、大学ではダンスに打ち込む。ダンサーとして数々のステージに立ち、多くの舞台を振付・演出する。

その後も、会社員をしながら、ダンス講師として活動。2年間で780名以上を指導し、ストアカにてダンスレッスン部門1位、2021年ストアカアワード「優秀賞」を受賞する。

現在は、自分と同じ、大胆で繊細なHSS型HSP気質を持つ方が自分らしく自由に生きていくためのサポートを行っている。
既存の概念に囚われない自由な発想力と地に足がついたアドバイス、そして情緒豊かな世界観づくりが強み。

Instagram:https://www.instagram.com/chiaki_dance_showup/

目次

もう二度と以前の生活には戻りたくない

吉武 麻子(以下、吉武):時間について、千晶さんはどんなことを悩んでいましたか?

市川 千晶 さん(以下、市川):実は、手帳を使う前は自分が時間について悩みがあることにすら気付いていませんでした。それどころか、時間管理は得意だと思っていたんです。

吉武:そうだったんですね。

市川:当時は、タスクをいかに効率よく詰め込むかをいつも考えていました。たくさんのタスクをこなすことに価値を感じていたので、まだまだできるって常に自分を追い込んでいたんです。仕事も子育ても、やらなくちゃいけないこともやりたいことも、全部を詰め込み過ぎていました。今振り返ると、もうあの生活は絶対にしたくない、そう思います。

手帳に書くとがんばり過ぎが一目瞭然

吉武:タイムコーディネート手帳を使い始めて、最初にどんなことを感じましたか?

市川:「いつ休んでいるんだろう?」と自分のことなのに不思議に思いました。私は自分をショートスリーパーだと思っていたんです。だから、タスクを終えずに一日を終わらせることができなくて、睡眠時間を削って夜中の2時、3時までやっていました。そして、朝6時に起きて、会社に行く生活をしていたんです。

手帳で可視化してみると、「この時間の使い方はダメだよね」と認めざるを得ない気持ちになりました。

吉武:千晶さんは元々行動力がすごくあるから、動きすぎていたってことですね?

市川:そうなんです。けれど、心のどこかでは「誰か止めて」って叫んでいたような気もします。

私はすごくがんばっていることを周りの人に気付かれないように、平気なフリをしていたんです。だから、周りの人にとっては、私がすごくがんばっている状態を「千晶さんの当たり前」として思うわけです。そのギャップが苦しかったけれど、自分が無理をしていることは知られたくない。その矛盾した気持ちが私のなかにはありました。

HSS型HSPの人は大胆で繊細なところがあるので、私だけではなく、こういった悩みを抱えている方は多いのではないかと思います。

好きなことができていればいいわけではない

吉武:誰かに止めてほしいと思うくらいにがんばりすぎていた自分に気付いて、そこから千晶さんの価値観自体も変わったのでしょうか?

市川:はい。自分で手帳に書いたものを目にして、がんばり過ぎていたことを自覚したら、ダウンしてしまったんです。自分の身体の不調も認めざるを得なくなって、少しずつですが、「休む自分を許してあげないと」という気持ちが湧いてきました。最初はゆっくりすることに罪悪感もありましたが、この1年はゆっくりしようと何度も自分に言い聞かせながら過ごしてきました。

そうやって過ごすなかで、「休みって本当に休むことなんだ」ということを実感できるようになってきたんです。

それまでは、平日は会社に行って、休日は自分の好きなことを・・・と思って、ダンスの先生をしていたんですね。自分の好きなことだし、人にもっと伝えたいと思うから、どんどんレッスンを入れてしまっていました。

好きなことができていたとしても、一度自分のなかで時間の使い方を根本から見直さないといけない。そう気付けたことはすごくよかったです。

やりたいことを諦めずに済む方法

吉武:根本から見直すなかで、感じたことはありますか?

市川:実はやらなくていいことってたくさんあるんだな、と思いました。

吉武:それはどうやって気付いたんですか?

市川:これは、『3カ月プロジェクトシート』を使うなかで気付いたことのひとつですね。

いろいろとプロジェクトをやっていくと、できることもあればできないこともあります。それを麻子さんは「それでいい」とおっしゃったんです。「今の自分はここまではできないということがわかったのであれば、未来にタスクごと飛ばせばいいんだよ」って。

実際に、私もその考え方に倣ってやってみたんです。やろうとしていたことを無理をして今やり切るのではなく、やることを減らしました。そして、今やると決めたことに集中する!ということを実践したんです。そうすると、集中してやったことは達成できるから、自分を褒めてあげられるんです。

そして、『3カ月プロジェクトシート』は達成したかどうかという結果だけではなく、過程を記録できます。1日単位でみるとすごく小さなことだったとしても、1週間・1カ月・3カ月単位で自分のやってきたことを見返すと、前に進めている実感が得やすくなります。だから、自分に対しての信頼感も増してくるんです。

吉武:小さな成功体験を積みやすくなったんですね。

市川:そうですね。そうやって実践しながら、少しずつ私にとってのちょうどいいペースも掴んでいきました。

自分の許容量を正しく整え直す

市川:私の場合、手放すことや休むことを取り入れるのに一番時間がかかりました。

今までは、私のなかにあるタスクが入る容器が変形してしまっていたんです。詰め放題の時のビニール袋ってのびのびになってしまいますよね?あんな感じで、本来の許容量以上のタスクを入れ込むことが習慣化していました

だから、新たに自分の好きなことを仕事にしようとするときに、容器がそのままだとまた同じことを繰り返してしまうと思いました。まずはゆっくり時間をかけて、容器を本来の形に戻す必要があると考えたんです。

吉武:なるほど、すごくわかりやすいですね。

市川:タイムコーディネート手帳を見ながら、自分のペースや休みをコントロールして、自分のなかにある容器を整え直す、ということを意識してやっていきました。

吉武:私はいつも「24時間」という箱があって、時間がないのはその箱以上にやることを詰め込んでいるからだよ、という説明をします。そのときの箱はガラスのコップのようなイメージだったんです。

けれど、その箱がもしゴムとかビニール袋だったら・・・と想像すると、形が崩れたり、所々破れていたりしても無理に押し込むことはできますよね。そうやって、そもそもの箱が変形してしまっているのであれば、まずはそこから整える。その上で、新たに入れ直していく、というのはとても大切なことですね。

市川:HSS型HSPの方は特にそうだと思うのですが、やっぱりやれてしまうんです、がんばれば。今までやってきたことだから、そのままにしておくと、やっぱり無理をして苦しくなってしまいます。それがどんなに好きなことであったとしても。

タイムコーディネート手帳を使い始めて、この苦しくなる原因がわかったのはすごく大きな変化です。

吉武:時間を通して、ご自身の心と身体を見つめ直してこられたんですね。

市川:そうですね。

今までと同じ景色なのに違って見えた

吉武:大きな変化を経て、今は時間の余裕もできて、やりたいことがよりスムーズに進んでいる感じでしょうか?

市川:そうですね。とても豊かな時間を過ごせるようになりました。

綺麗ごとではなく、自分の仕事はお金が目的じゃない、ということを強く感じました。お金を最優先にしてしまうと、「とにかくたくさん人を集めなくては!」と苦しくなってしまいます。そうではなく、自分ができることで人のお役に立てること、という視点で自分の仕事を考えられるようになりました。

あとは、子どもと過ごす時間も大きく変わりました。ゆっくりとした気持ちで自分自身をみてあげられるようになったことで、周りの人、特に子どもに対してもゆっくりとみられるようになりました。

これまで、休日は私が仕事で外に出ることも多かったけれど、子どもと過ごす時間が大事だということにも改めて気付いんたんです。自分が家族に戻ってきた感じがしています。

これまでと同じ場所、同じ景色だけれど、すごく見え方が変わってきた気がしています。

吉武自分自身が整っているからこそ、家族との関係も整う、というのはありますよね。

いろんな角度から自分を見つめて、やりたいことをやる経験を積み重ねていくと、自分の理想とする時間のバランスも変わってきます。仕事に対するスタンスも変化してきますよね。

自分が整うからこそ、一番身近にいる家族との関係も整うし、そこから仲間や周りにいる人との関係性もよくなっていきます。

ベースが整うと人間関係も整っていく。時間の使い方も見直しているんだけれど、意外なところにその効果は出てきますよね。

市川:本当にそうですね。時間が問題だと思っていたけれど、ここだったのか!という感覚になりました。それは、手帳を通して、一生懸命がんばっている自分を知り、自分を愛おしく思えたからこそだと思います。自分への愛情がないまま、人に優しくはできないし、愛情を向けることはできないのだな、というのはすごく感じました。

吉武:とても興味深いですね。タイムコーディネート手帳は時間を見つめ直す手帳ではあるけれど、千晶さんのなかでは、時間をうまく使えるようになったのはもちろん、人間関係が整っていく効果もあった、ということですね。

市川:はい。「時間」というフィルターを通すことで、より実感を持って自分を見つめ直すことができました。「あの時の自分ががんばってくれたから、今私はここにいるんだ」と過去の自分に感謝の気持ちが湧いてくるんです。未来に向けて何かやろうとするときにも、自分を信頼できるようになりました。

自分を労うことからはじめよう

吉武:千晶さんのような、行動力がすごくある反面内心はドキドキしてしまうHSS型HSPの方にもタイムコーディネート手帳はオススメできますか?

市川:もちろんオススメできます。まずは、この手帳を使って、今自分がどれだけがんばっているのかを知ってほしいですね。知らないと苦しいままだから。違和感を抱えたまま、それでも不幸なわけでもないから、と無理をしたまま生きていくのは本当に苦しいと思うんです。だから、まずはがんばっている自分をちゃんと見てあげて、「休んでいんだよ」って自分に優しく声をかけてあげられるようになってほしいです。その後に、やりたいことをどうやってやるか、というフェーズになると思うので。

とはいえ、また手帳を使うにあったって自分のなかでルールを決めてしまうと苦しくなります。私も手帳を使いこなそうとは思っていなくて、少し今までより細かく書いてみよう、そんな気持ちでいるし、それでいいと思っているんです。

吉武:そうなんです。手帳は時間を通して自分を見つめ直すツールでしかありません。手帳を完璧に書くとか、絶対に毎日手帳時間を取ると決めてしまうと、それが目的になってしまって辛くなります。あくまで、自分がどう生きていきたいのかを知って、実践していくことが目的だから。

千晶さんも最初はがんばっている自分を労うことに時間をかけていらっしゃいましたよね。タイムコーディネート手帳は望む未来を掴みにいく手帳なので、これからやろうとしていることを書く手帳ではあるけれど、まずはやったことを後から書いてみるのもいいですよね。

手帳に書くことで、自分はこんなにがんばってたくさんのことをやっていたんだ、ということを客観的に認めやすくなります。そうやって書き続けると、自分の時間の使い方の癖や、心地よく感じる時間の使い方が見えてくるはずです。

思っていることを自由にすべて書き出す

吉武:千晶さんがタイムコーディネート手帳の使い方で工夫していることはありますか?

市川:私はA4用紙にまずは思っていることを一度書き殴ります。そうすると、スペースの制限がないので、のびのびと書けるんです。そこから手帳に落とし込んでいくようにしています。

タイムコーディネート手帳は大きくて、マンスリーも2カ月見渡せるので、すごく書きやすいです。それでも、自分の思っていることを全部書き出すためには、一旦別の大きな紙にバーッと書き出す工程は意味があるな、と感じています。

吉武:そうですよね。私もタイムコーディネート手帳と一緒にノートも持ち歩いています。やりたいことをまずはノートに書き出して、必要なところを整理して、スケジュールに落とし込んでいく、といった使い方をしています。

制限をつけずに自由に書き出すのはすごく大切ですよね。

市川:「こんなこと考えていたのか、私」ということも出てきますね。

吉武:確かに出てきますよね。やりたいことがいっぱいある方もまずは書き出してみてほしいです。

たくさんのことを同時にやるのはやっぱり難しいんです。全部を一気に力技でがんばれる方もいるけれど、年齢を重ねるとそれも難しくなります。とはいえ、やりたいことを諦める必要はありません。今やることを決めるだけ、です。

他のものは先に飛ばす、つまり実行するタイミングを未来に設定し直せばいいだけです。そのタイミングがきたらやるから、それまで待っていてね、という感じです。何を今やって、何を今やらないのか。その整理も一度書き出してみるといいですよね。

市川:はい、本当におすすめです。

タイムコーディネート手帳で自分のなかにある答えをみつける

吉武:千晶さんのお仕事についても聞かせてください。

市川:ありがとうございます。私のように、大胆だけど繊細なHSS型HSP気質を持った方、私は「人魚さん」と呼んでいるのですが、そういった方に向けて、自分らしく、世の中を自由に泳いでいく方法や心地よいお金の作り方をお伝えしています。

気になる方はまずメルマガにご登録いただけるとうれしいです。特典として、「7つの思い込みを手放して心地よくすごすための実践シート」をお渡ししているので、ぜひご活用いただきたいです。

市川 千晶さん メールマガジン
https://ml.vividlife57.com/selfrelease-lp1/

吉武:最後にメッセージをお願いします。

市川:はい。タイムコーディネート手帳を使いはじめた頃、苦しい気持ちを抱えながらも、私はがむしゃらに行動し続けていました。誰かに止めてほしいと願いながら。

でも、自分にとっての心地よさは自分の中にしか答えはありません。タイムコーディネート手帳に書き込むとき、ハッと気付くことがたくさんありました。だから、みなさんにもタイムコーディネート手帳を手に取って、ゆっくりと自分を見つめ直す機会を持っていただきたいです。

私が自分に合ったペースで、着実に、丁寧に自分の人生を歩めるようになったのは、麻子さんとタイムコーディネート手帳に出会えたから。そして、自分の生き方・時間の使い方を自分で決めていく決心ができたからだと思っています。ぜひ私にも会いに来てもらって、みなさんと一緒にこの心地よさを体感したいです。

吉武:今日は本当にありがとうございました。

市川:こちらこそありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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