タイムコーディネート手帳は心地よさを日常に浸透させられる手帳 vol.39

大好きなマーケティングの仕事や仲間、クライアントを大事に思うがゆえに、がむしゃらに走り続けてきたブランドプロデューサーの小松紗貴子さん。ボロボロになってがんばることが自分らしさだとさえ思っていたところから、現状把握をきっかけに自分が望む理想のがんばり方を手に入れたそう。そんな小松さんにタイムコーディネート手帳を使ってからの変化について伺いました。

※本記事は2022年12月22日にお送りしたInstagramライブ配信「タイムコーディネート手帳が私たちにもたらしてくれたもの」でのインタビュー内容を再編集したものです。

小松 紗貴子 さん

irodori Branding株式会社 ブランドプロデューサー

心理学・思想哲学を専門とする中高の教師を経て、教育系上場企業に転職。企画開発営業部にて学校経営者向けの経営戦略やプログラムの提案、立ち上げを担当。


その後、ブランディングの仕事に魅了され、irodori Branding株式会社に参画。「らしさ」を活かした商品・サービスづくり、集客や売上の改善といったビジネスのお悩みを本質的な課題解決へと導く『ナチュラル・ブランディング事業』では、クライアントのコンサルティングとビジュアル制作プロデュース・ディレクションまで担当。

現在は、「ブランディングは現状を打破して新しい可能性を広げるツールである」という考えのもと生まれた、キャリアビジネスプログラム事業『TheONE Branding』の運営に注力している。

Instagram:https://www.instagram.com/sakiko.komatsu/

目次

「心地よくなくていい」と思っていた

吉武 麻子(以下、吉武):タイムコーディネート手帳は2022年度に誕生しました。当時のペルソナが、実は今日のゲストである小松紗貴子さんなんです。

タイムコーディネート手帳を使ってくださる方をイメージしたときに、まずは起業・副業をされている方だろう、と思いました。ただ、タイムコーディネートの概念はもっと多くの方に広がってほしいという思いもあって、会社員の方にもどうしても届けたかったんですね。

紗貴子さんは会社員でありながら、起業家のような働き方もされているので、紗貴子さんのお悩みを深掘りしていくと、会社員と起業家両方の理解が進むのでは、という思いがありました。

小松紗貴子さん(以下、小松):初めて知りました。確かに会社員と起業家が混ざった状態であるがゆえの混乱はありましたね。

吉武:私はかなり近いところで紗貴子さんを見ていましたが、当時はまだ悩んでいることにも気付いていなかったと思います。どういう状況だったかを教えていただけますか?

小松:はい。麻子さんがよく「心地よさを大事に」って言われていたんですが、当時の私は「心地よくなくていい」と思っていました(笑)。それよりも、がむしゃらに頑張ることの方が私は好きだし、一生懸命ボロボロになりながら自分の情熱を注ぐような生き方をしたいと本気で思っていたんです。思い込みも含めて、その気持ちが強かったから「心地よさを求めたい」という思いはありませんでした。

心身ともに疲れ果てていても、それが苦しいとも、抜け出したいとも思っていなかった。そこに気付くのにまずは大きな階段がありましたね。

吉武:私は「いいんだよ、好きなことをやって」とか「もっと言いたいことを言っていいんだよ」と横でずっと言い続けていましたよね。実際に、紗貴子さんがこの状態は自分が心から望んでいるものではないと気付いたきっかけはなんですか?

小松:多分、年齢もあると思います。心身ともに限界が来たんです(笑)。20代は睡眠時間を削って勢いで乗り越えられたから、その働き方を30代になってもやろうとしました。でも、無理でした。これはもうやり方を変えないといけないんだ、というのを限界を超えた心身の疲れによって気付かされました。

抱えているものが多すぎて現状把握で1年が終わる

吉武:タイムコーディネート手帳を使い始めて1年目で気付いたわけではなかったですよね?

小松:そうなんです。1年目はやっぱりタイムコーディネートの概念がわかりきっていなかったし、腹落ちもしていない状態でした。さらに、抱えているものが多すぎて、プロジェクトの進捗すら把握しきれていない状態だったんです。だから、今、何を自分が担当しているのか、そしてそれがどのフェーズにあるのか、を把握するところからのスタートでした。それで1年目は過ぎていった感じです。

吉武:「頑張る」が前提にある方は、紗貴子さんに限らず本当に多いです。これまでもそれでやってきたし、できてしまうから、ずっと自分にムチを打ち続けてしまう。けれど、会社員から起業のような働き方になったときに、「全部を自分でやらなくちゃいけない」という状況になります。さらに、紗貴子さんの場合は、そんな働き方をしながらも、会社員という部分もあるので、会社でやるべきこともあるんですよね。訳がわからない状況になるだろうし、その状況になっていることにも気付けなかったのも無理がないような気もします。

具体的に、何か気付くきっかけはあったんですか?

小松:はい。『3カ月プロジェクトシート』がありますよね。あれ、プロジェクトを書けるところが5列なんですよね。でも・・・。

吉武:足りなかった(笑)。

小松:もう全然!「え、こんなの足りるわけがない」と思いました(笑)。1つの枠の真ん中に線を引いて10列にしたんです。それでも、まだはみ出している状態でした。

そうやってはじめて、自分が抱えているプロジェクトの多さを可視化できたんです。

それまでもタスクが溢れているし、いっぱいあることは分かっていました。けれど、毎日走りきることに精一杯で、整理する時間が取れないんです。そんな状況だからこそ、整理する時間を確保するのがタイムコーディネートの考え方なんだろうけれど、そのときはできませんでした。

そこから、それでは何も変わらないと、ようやく全部を書き出してみたんです。そうしたら、もう坂道を転がり落ちているような現状だということが把握できました。

吉武:はじめて聞きました、プロジェクトの枠を10個にした話を。使い方見本を見て、「そんなに少ないの?」ってきっと感じていましたよね。そうやって、自分のやっていることを可視化できたことで、現状を把握できたんですね。

「仕事のどこが好き?」に答えられなかった

小松:私の場合、会社員だから仕事をたくさん振られて忙しい、というわけではありませんでした。ブランディングの仕事をもっとできるようになりたかったから、「それ、やります!」って自ら取りにいっていたんです。だから、増えていく一方でした。

自分の現状を把握できていないから、それが今できるのかできないのか、対応する時間があるのかないのか、という判断ができなかったんですよね。

吉武:確かに自ら仕事を取りにいっていましたよね。

勉強のために、というのはすごく大事な姿勢だし、一般的な企業で働くときにもそれを良しとする文化は根底にありますよね。それもすごくいいことではあるけれど、やっぱり自分の好きや強みを意識することは忘れないでほしいんですよね。

紗貴子さんがどんどん仕事を取りに行くから「もっと自分の好きなことにフォーカスしようよ」と声をかけたこともありましたよね。でも、紗貴子さんにとってはブランディング=好きなことだから、ピンとこなかったみたいで。「ブランディングという大枠じゃなくて、そのなかの好きなことをやろう」って話をしましたよね。

小松:そうなんです。麻子さんからの「仕事のなかのどこが好きなの?」という質問が、もうひとつの大きな気づきに繋がりました。「あれ?答えられない」と思ったんですよね。好きかどうか、楽しいかどうかはいつの間にか置き去りにされていて、「やらねば」「戦わねば」そんなモードになっていた自分にも気付きました。

自分軸に何度も何度も立ち戻る

吉武:紗貴子さんにとってはニュージーランドに移住したという環境の変化も大きく影響していると思うけれど、タイムコーディネート手帳を使ったからこその変化は何かありましたか?

小松:手帳を使うときの考え方が大きく変わりました。好きではじめたことのはずが、「やらなきゃいけない」という責任感のようなもので動いていることに気付いてから、好きなこと、やりたいことに時間を使おうという自分の軸ができました。その軸をもって手帳に向き合うと、時間の使い方を考えることを通して、どう過ごしたいかを意識しながら日々の生活を送れるようになったんです。

とはいえ、これまでの考え方も根強くあるから、すぐにはもちろんできなくて、マインドが戻ってしまいがちでした。けれど、振り返りの時間や来週の過ごし方を考える時間をちゃんと設けることで、自分の軸に立ち戻ることをずっと繰り返してきた感じです。

吉武:一生懸命頑張ってきている方は、自分が動いた方がいいから、早く進めた方がいいからと、自分の感情に蓋をしがちです。ずっとそうしてきているから、感情の蓋が固く閉まっている感じなんですよね。

だから、すぐには自分の「好き」や「やりたいこと」は出てこないかもしれません。けれど、意識することによって、徐々に徐々に感情の蓋は開いてくるはずです。

小松:そう思います。私も意識し続けるために、麻子さんのFacebookライブを見て、それはそれは真剣にノートを取っていました。

吉武:真面目!(笑)

振り返りはタスクの進捗だけではなく自分を振り返る時間

小松:タイムコーディネートをちゃんと理解して、実践してみて、大事なのは振り返りの時間を確保すること、だと思いました。今も毎日は取れていないときもあるけれど、この週はどう過ごすか、を考える時間を確保しはじめたというのが、すごく大きかったです。

吉武手帳の振り返り時間がイコール「時間の振り返り」になり、自分がどう生きていきたいとか、どうしたいのかという「自分の振り返り」になるんですよね。

小松:そうなんです。私はニュージーランドに来て、仕事が100%オンラインになりました。日本にいたときにもテレワークはしていたけれど、こちらに来て、より強く思ったことがあります。それは、「今、この時間は何の時間なのか」を自分で決めないといけない、ということでした。

ずっと仕事ができるし、節目なくやれるから、そうすると睡眠時間も取れなくなってしまうんですよね。切り替えの時間を自分で意識してやるのはすごく大事だし、この働き方には必要だったんだ、ということをすごく感じました。

吉武:日本時間にあわせると仕事時間が増えてしてしまうこともあるでしょうし、より切り替えが必要になりますよね。どういう切り替えの仕方やバランスが自分にとって心地よいのかは振り返りの時間をもつからこそ見えてきますよね。

「やらなくちゃ」から「やりたい」へ

小松:以前の手帳は、目標の達成度合いや期限までの進捗具合を確認するものでした。それが、自分の「好き」や「やりたい」を時間にどう落とし込んでいくか、という視点で手帳を使い始めると、振り返りの時間は自分にとっての心地よさが何かを自分に浸透させていく時間になりました。

吉武:すごくうれしいです。私もこれまで使っていた手帳は、スケジュールチェックやタスクチェックとして使っていました。だから、「いかに約束を間違えないか」や「いかにタスクを漏れなくやるか」というところにしか意識がいかないんですよね。

それがタイムコーディネート手帳では、自分のやりたいことが明確になるからこそ、自分の気持ちとも向き合いながら、しっかりと着実に地に足をつけて行動計画を立てられるようになるんですよね。

子どもと一緒に「今日一日楽しかったこと選手権」

吉武:お子さんと寝るときにも一日の振り返りをしているとおっしゃっていましたよね。

小松:はい。タイムコーディネート手帳や麻子さんを通して、自分はこれまで、やらくちゃいけないことだけを毎日一生懸命やっていたことに気が付きました。顕著なのは、子どもにかける言葉なんですよね。「あれ、やらないといけないでしょ!」って(笑)。

子どもにかける言葉は全部自分自身に言っている言葉でもありました。それを感じたときに、好きだからやる、楽しいからやる、ワクワクするからやる、そういうマインドを子どもに持ってほしいな、と思いました。

それではじめたのが「今日一日楽しかったこと選手権」です。夜寝るときに、今日一日の楽しかったことをお互いに挙げて、「はー、今日も一日楽しかったね」と言って寝る、ということをやっています。

吉武:最高ですね!私も娘と今やっていますが、やっぱりいいですよね。楽しかったことにフォーカスすると、その時間を増やしたいと自然と思えるし。将来にもすごくいい影響があると思います。

小松:選手権をやると、その日一日を「楽しい」で過ごせなかったことにも気付きやすくなるんですよね。それがすごく私のなかでは大きいです。楽しく過ごすこと、充実した一日を送ることを”真剣に”やってみる、という感じですね。今まで自分が力を注いでいた方向を少し変えてみた、と言えるのかもしれません。

吉武:素晴らしいです。

タイムコーディネート手帳は心地よさを現実に落とし込める手帳

吉武:タイムコーディネート手帳はどんな方にオススメの手帳ですか?

小松:自分を持って仕事をしていきたい人にオススメですね。

私自身も別に振り回されていたわけではないんです。けれど、いつの間にか自分の外側、つまり会社や今走っているプロジェクトに自分を合わせにいっていたんですよね。仕事や仲間が大事だからこそ、頑張りたい気持ちもありました。だから、いつの間にか無理を重ねて、どんどん疲弊してしまう。

そうならないために、まずは自分がどう過ごしていきたいのか、どう働いていきたいのかを整えることがとても大切だし、それができるのがタイムコーディネート手帳だと思います。

自分を追い込むより「やりたい」で動く方が早く長く走れる

吉武:ありがとうございます。タイムコーディネート手帳で気付いたことをたくさんシェアしていただきましたが、紗貴子さんにとってタイムコーディネート手帳の何がフィットしたと思いますか?

小松:タイムコーディネート手帳の現実をないがしろにしないところですね。

いくら心地よさを大切に、といってもやっぱりやるべきことはありますよね。「好きなこと、楽しいことをやる」だけだと、自分を大切にできている感覚は持てるかもしれません。けれど、仕事は自分だけでやるものではありません。会社があって、お客様がいて、仲間がいます。だからこそ、自分を持ちつつも、人と動きをあわせて一緒に物事を進めていくことがやっぱり必要です。

タイムコーディネート手帳は自分のやりたことを大切にしながらも、日々の仕事をどう進めていくかといった現実の今日一日の過ごし方も考えやすいんです。しっかり現状を把握しつつ、時間の使い方をちゃんと自分で手綱を握ることができる、というのが私にタイムコーディネート手帳がフィットした理由だと思います。

吉武:なるほど!今、頑張っている方は自分と向き合うことよりも、目の前のやるべきことを優先しがちなんですよね。だからこそ、現実的な時間の整理をしながら、手帳を書き進めていくなかで、結果的にやっぱり自分の心地よさが大事なんだ、と気付くということですね。

小松:心地よく過ごす、ということに関しては、それ以外のツールもいろいろあると思います。けれど、心地よく過ごしながら、同時にやるべきことも進めていく。これができるようになるのが、タイムコーディネート手帳の強みなんだと思います。

吉武:タイムコーディネート手帳は「夢を描いておしまい」ではなく、それをしっかり実現させることができる手帳です。逆に、目の前のことだけではなく、自分の夢ややりたいことを明確にすることの大事さも実感できる手帳でもあります。理想と現実の両軸から時間の使い方を整えられるというのがタイムコーディネート手帳の大きな特徴ですよね。

紗貴子さん、すごく変わりましたよね!表情が違うし、のびのびしながらもやることはしっかり進めている感じがします。

小松自分を追い込むよりも、「やりたい」で動く方がスピードもあがるし、長く走れるんだとわかりました。以前は、無駄に疲れていた気がします(笑)。

吉武:最後にお仕事の話も聞かせてください。新しい事業もはじまりましたよね。

小松:はい。「一点モノ」の自分を活かすキャリアビジネスプログラム事業『TheONE Branding』がスタートしました。実はずっと、この仕事をはじめたときから漠然とやりたいと願っていたことでもあったんです。でも、これを伝えていける自分たちになるためにも、目の前でできることをまずは丁寧に、丁寧に積み重ねていく。これまではそんな時間でもありました。

これまでやってきたことも、これからさらに進化していきたいことも根底にある想いは変わりません。これまでのirodori Brandingとはひとあじ違う世界観もぜひのぞいてみていただけるとうれしいです。

TheONE Branding Instagram
https://www.instagram.com/theone_branding/

吉武:ありがとうございます。最後にひとことメッセージをお願いします。

小松:自分で人生の手綱を握りたい方、さらにそのなかでも特にオンラインで仕事をされている方にタイムコーディネート手帳は本当にオススメです。自分で意図して時間を作っていくことができるようになるので、ぜひ一度手に取っていただけたらと思います。

吉武:今日はお忙しいなかありがとうございました!

小松:ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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