タイムコーディネート手帳で長期的な計画も立てられるように vol.49

流れに任せてその日の予定を決めることが多かったという戸田ひさえさん。そんな戸田さんが1年後も視野に入れながら、やりたいことに向かって計画的に行動できるようになったタイムコーディネート手帳の使い方を伺いました。

※本記事は2023年7月27日にお送りしたInstagramライブ配信「わたしの時間と手帳のつきあい方」でのインタビュー内容を再編集したものです。

戸田 ひさえ さん

マスタータイムコーディネーター
カルトナージュ作家

人生の転換期に、フランス伝統工芸のハンドメイド【カルトナージュ】と出会い、「私らしく生きられる」ハンドメイドの時間に救われる。

いつも周りのために頑張っている人に「私らしく生きられる」時間を過ごしてほしい!とカルトナージュを仕事にすると決め、キット販売からスタート。その後、ワークショップやレッスンなど活躍の場を広げる。

現在は、カルトナージュ作家・講師の活動と並行して、ハンドメイド講師や自分を生かして心地よく働きたい女性起業家をサポートしている。

神奈川県横浜市で定年退職した夫と二人暮らし。

▼Instagram
https://www.instagram.com/toda.hisae/

目次

長期的な視点を手に入れられるように

吉武 麻子(以下、吉武):ひさえさんがタイムコーディネート手帳に出会う前は、どんな時間のお悩みをお持ちでしたか?

戸田 ひさえさん(以下、戸田):私はこれまで20年くらい1日1ページの手帳を使っていました。特に問題はなかったんですが、自分でお仕事をしようと思ったときに、1日1ページだとその日のことしかわからないことに使いづらさを感じるようになったんです。「何か良い手帳がないかな?」と思っていたときに、タイムコーディネート手帳に出会えました。

吉武:タイムコーディネート手帳はDailyではなくWeeklyのバーチカル手帳であることが特徴のひとつですよね。他に、ひさえさんにとってタイムコーディネート手帳を使ってよかった点はありますか?

戸田:『3ヵ月プロジェクトシート』がすごくよかったです。知人にもおすすめポイントとしてお伝えしています。

戸田さんのおすすめポイントだという『3ヵ月プロジェクトシート』

戸田さんのおすすめポイントだという『3ヵ月プロジェクトシート』

吉武:『3ヵ月プロジェクトシート』のどんなところが良かったですか?

戸田:長期的な見通しが立てられるところですね。

私は30代半ばに大きな病気をして、2年ぐらいほぼ寝たきりの生活でした。その頃は本当にその日のことしか考えられなくて、「私に明日の予定は聞かないで」と思っていたくらいでした。それが、段々と3日は大丈夫、1週間は大丈夫、となっていったんです。今の仕事を始めたときは1ヵ月先のことは考えられるようになっていました。でも、1ヵ月先の予定を立てるのが限界でした。

そんな状態だったのが、『3ヵ月プロジェクトシート』を使うようになって、3ヵ月先のことを考えられるようになりました。今は半年後、1年後のこともざっくりだけれど見通しが立てられるようになって、「私、すごく変わった!」と思っています。

理想の未来へブレずにいられる

吉武:その日のことしか考えられなかったところから、1ヵ月、3ヵ月、半年、1年と長期的な視点で見られるようになったことで、良かったことはありますか?

戸田:行き当たりばったりが減ったことですね。

毎日を精一杯生きて、それを積み重ねることもいいと思います。けれど、「こうありたい」と思う未来があるのであれば、今だけではなく、未来も見ておく必要があります。そうじゃないと、気が付いたら「あ、全然違うところに行っていたかも」なんてことになってしまうから。やっぱり方向性を間違えないように、先のことも考えておけるようになったことは良かったです。

吉武:その日その日で頑張る充実感もありますよね。けれど、そんな日々が続くと「これでいいんだっけ?」とか、「頑張っている割に前に進めていない気がする」といった感覚を持つ方も多いように思います。

戸田:そうですね。私も「あれ?どこに行こうとしていたんだっけ?」と思うことが多かった気がします。

行き当たりばったりのときには、目に付いたことから取りかかっていたので、常にやることがいっぱいで。いつもたくさんのタスクを前に「はぁ、どうしよう・・・・・・」と思っていました。けれど、実際にはそんなに急いでやらなくてよかったな、と後から思うものもあったんです。

自分が目指す方向性が決まってくると、やることの優先順位もつけられるようになって、タスクに振り回されることもなくなりました。

吉武:目の前のことしか考えられなかったときは、タスクをこなすことに精一杯だったけれど、未来のことを見られるようになって、優先順位を整理できるようになったんですね。

優先順位が明確だと焦らない

戸田:優先順位が整理できるようになると、無駄に焦ることがなくなりますよね。「今日、絶対やるべきことはコレ!」と決まっているから、本当に焦ることが減りました。

吉武:確かに焦ると自分をすごく追い込みますよね。

戸田:それなのに、焦っていっぱい時間を使った割には何も生み出せていないこともありますよね。

吉武:確かに!焦ると効率も悪くなるし、自己否定もしてしまいがちです。焦っても良いことは何もないから、タイムコーディネート手帳を使うことで焦らなくなるのはとても大事なポイントですよね。

戸田:私はもともとすごく焦るタイプなんですが、タイムコーディネート手帳を使うようになって、随分マシになったように思います。

吉武:焦るタイプにもいろいろあって、すごいスピードで駆け抜けようとする人もいれば、あちこちに手を出してしまう人もいるし、気持ちはすごく焦っているのにまったく動けなくなる人もいる。本当にいろんな焦り方があります。どんな焦り方にも共通しているのは、焦って空回りすると苦しくなる点です。タイムコーディネート手帳で、少しずつその時間を減らせるといいですよね。

戸田:本当ですね。私はもうタイムコーディネート手帳なしでは生きていけないかも、と思っています。

理想の未来と今日が繋がっている実感

吉武:ひさえさんのタイムコーディネート手帳の使い方としては、先程おすすめしてくださった『3ヵ月プロジェクトーシート』を、今やっていることと目指す方向性とが合っているかをチェックするために活用してくださっているのでしょうか?

戸田:そうですね。あとは、タイムコーディネートをより実践するために、今はWeeklyに時間の使い方を書くようにしています。予定を書くのではなく、何に時間を使ったのかを記録している感じです。

Weeklyバーチカルは時間の使い方を記録するために活用

Weeklyバーチカルは時間の使い方を記録するために活用

時間の使い方に迷いが出ると、『3ヵ月プロジェクトシート』を見直すようにしています。記録を取っていると、どうしても目の前のことに集中してしまうので、視点が偏らないように気を付けています。

吉武:タイムコーディネート手帳はすごくシンプルなんです。シートもたくさんあるわけではありません。

最初に『5つの「私」役割シート』で、24時間という限られた時間を自分が担ういろいろな役割をどういうバランスで使うのか、使っていきたいのかを確認するページがあります。

次に、『VISON逆算シート』で自分が人生で大切にしたい価値観や叶えていきたいことを明確にしていくページがあります。そしてその次に、今お話頂いている『3ヵ月プロジェクトシート』があって、Monthly、Weeklyがある、という作りになっているんです。

このシンプルさがすごく肝で、すべてのページが1本の線で繋がっているんですよね。自分が人生で大切にしたいことをベースとして、直近の3ヵ月の過ごし方を決めて、日々の時間の過ごし方をWeeklyで確認していきます。

毎日の時間の使い方が自分の価値観とズレてしまうと、焦りが生じたり、苦しくなってしまったりするんですよね。それを「3ヵ月」という中間地点でズレがないかを見比べると、ブレずに行動しやすいからみなさんによくお使いいただいているのかな、と感じています。

戸田:そうですね。『VISION逆算シート』のVISIONを考えることは私には難しくもありました。でも、何度も何度も自分はどんな生き方をしたいのか、何を目指したいのかを考えたからこそ、『3ヵ月プロジェクトシート』も書けるし、日々の予定も組めるんだと思います。私はWeeklyのバーチカルは記録用として使っていますが、これからやるべきタスクはちゃんと書いてあるので、タイムコーディネート手帳を見れば「これで私は大丈夫」と思えます。

「手帳は使いこなすべき」の思い込みを手放す

戸田:タイムコーディネート手帳はシンプルなのがいいですよね。手帳を選びはじめたとき、いろいろなものが付いている手帳を「お得かも」と思ったんです。けれど、「私、絶対に全部は書かない」と思い直しました。

「マスタータイムコーディネーターとして、手帳の使い方についてもお伝えしています」とお話をすると、9割くらいの方が「手帳を使いこなせたことがありません」っておっしゃるんです。私自身も以前はそう思っていたけれど、タイムコーディネート手帳はシンプルだから、「使いこなさなくちゃ!」とプレッシャーを感じることはありません。

さらに、手帳考案者である麻子さんが「使いこなさなくていい」と言ってくれたのもすごく気持ちがラクになりました。そして、気持ちがラクになると、意外と書けるようになるのが不思議です。

吉武:手帳が続かない、というお悩みはよく伺います。そして、タイムコーディネート手帳で初めて手帳が続いたとおっしゃってくださる方も多いんです。

けれど、その「続いた」というのは、1年間すべてのページをびっちり書き続けたという意味ではないんですよね。しっかりと要所要所で手帳に立ち返ることができたから、手帳を使えたと感じられているんだと思います。

私もズボラなので細かく書くことはしません。だけど、毎日手帳を見ています。タイムコーディネート手帳は書く時間ではなく、見る時間の方が長い手帳です、とよくお伝えするくらいです。

しばらく書けなかったとしても、その書き込んでいない状況そのものが振り返りになります。書き込む時間がないほど忙しかったとか、手帳と向き合いたくないほどストレスを抱えていたとか。

戸田:そうなんですよね。書いていない時期は何もなかったわけではなく、忙しかったり、精神的に追い込まれていたりしたからなんです。

私は、振り返ったときに「なぜ書けなかったのかな?」と思いそうなので、Weeklyの手放しの欄に「追い込まれていた」ってそのまま書き残しておくようにしています。実際、1年後に見て「なるほど!」となっています。

吉武:すごくいいですね!書き続けなくちゃいけないとか、手帳にあるページはすべて書き込まなくちゃいけないとか、手帳への思い込みを手放していただきたいですね。

戸田:今は100円ショップでも手帳は売っているわけですよね。それなのに、わざわざそれなりの金額を出して買うからには、全部使い切らなくちゃ!と思うのかもしれません。だけど、人生にはそれよりももっと大事なことがあると思うから、プレッシャーを感じる必要は全くないと私は思っています。

プレッシャーや思い込みは、前に進むために必要がないものだから、あっさりと手放してほしいですね。

タイムコーディネート手帳を自己理解にも活用

吉武:活用してくださっている方が多い『3ヵ月プロジェクトシート』も「ざっくり」と書けるからいいんですよね。今は特に具体的な目標や夢がないという方も、タイムコーディネート手帳に興味を持ってくださる方は、自分を生かした人生にしたいという気持ちがおありだと思うんです。でなければ、「人生とは」「自分の役割とは」「3ヵ月で何を成し遂げたいか」なんて考えようとはしないはずです。

自分の人生をより豊かにしたい、世の中に何か貢献したい、身近な人を幸せにしたい、自己実現したい・・・・・・そんな思いが何かしらあって、葛藤しているからこそ、ご自身のアンテナにタイムコーディネートという概念が引っかかったんだと思います。

戸田:別になんとなく生きていくこともアリなんですよね。でも、そうじゃなくて、もう少し時間の、自分の人生の充実度を高めたいと思うなら、3ヵ月といった少し先の目印があった方が毎日は充実します。

吉武:夢や目標が明確にある人は具体的な計画を立てて、どんどん前に進んでいっていただきたいです。そして、特に具体的に目指すものがあるわけではないけれど、何かもどかしさがある方は、そのもどかしさを紐解いて、どんな人生を歩みたいかや、自分は何に心地よさを感じるのかといった自己理解にタイムコーディネート手帳を活用していただきたいですね。

行動したからこその気付きを大切に

吉武:目指すものや心地よく感じるものに唯一絶対の正解があるわけではないから、やってみて気づくことが多いんですよね。行動せずに、考えているだけで時間が過ぎていくのはすごくもったいないから、「やってみる」をタイムコーディネート手帳を使って実践してほしいです。

戸田:私も計画を立てたものの実際にやってみると「あれ?違う・・・・・・」と思うことがあります。でも、「やったから違うってわかったんだ」って思うし、そうやって思えるようになったことが成長だと感じています。

計画通りにいかなくてもいいし、動いたからこそ違うものが見えてくる。望むことが変わるのは自然なことなんだと今は思っています。

タイムコーディネート手帳にはその変化も記録として残るし、その時々で私が何を考えていたかがわかるから、どんなときも併走してくれる、勇気を与えてくれる存在になっています。

吉武:私は前に立ってみんなを先導していくタイプではなく、頑張りたい人に併走して、背中を押すことがすごく好きなんです。とはいえ、一人でサポートできる人数は限られるから、どうすればいいのかを考えたときに、手帳ならそれができるんじゃないかと思ったんですよね。

手帳はいつでも伴走してくれるし、ときにはディレクションもしてくれるし、相棒として相談にも乗ってくれます。みなさんにとってタイムコーディネート手帳が伴走者・相棒となって、夢の実現を後押しできたらと思って作ったので、その役割を果たしていると言ってくださるのは、とてもうれしいです。

手帳カバーも心地よさで選ぶ

吉武:ひさえさんはカルトナージュの先生を元々やっていらっしゃるので、「手帳カバーも作れるんです」とおっしゃっていて、私も実物を拝見しましたが、すごく素敵なんです。

戸田:ありがとうございます。現在は受注をお休みしていますが、2024年春までにはオーダーで手帳カバーのご注文をお受けできるように準備を進めています。ご興味のある方は、カルトナージュについて情報をお届けするInstagramをフォローしてお待ちいただけるとうれしいです。

▼戸田ひさえさんInstagram
https://www.instagram.com/toda.hisae_coufu/

吉武:元々のカバーもついてはいますが、お気に入りの手帳カバーを付けていただくのもいいですよね。カバーが用意されているのに・・・といった遠慮は不要です。自分の好きや心地よさを大事にしながら、手帳カバーも選んでくださいね。

ひさえさん、今日は本当にありがとうございました。

戸田:ありがとうございました。

インタビュアー:吉武 麻子
編集:長谷部 敦子

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