パステルアート教室を主宰し、多忙な日々を送っていた宮川波留子さん。スケジュール管理ができず、周りに迷惑をかけてしまい自己嫌悪に陥ることもあったそうです。タスクを見える化したことで先が見通せるようになり、今ではやりたいことを優先しているのに収入は4倍に!そんな宮川さんに、タイムコーディネート手帳を使ってからの変化について、タイムコーディネート手帳プロジェクトメンバーの福岡すみれがお話を伺いました。
※本記事は2022年12月8日にお送りしたInstagramライブ配信「タイムコーディネート手帳が私たちにもたらしてくれたもの」でのインタビュー内容を再編集したものです。
宮川 波留子 さん
パステルアート教室アトリエモア主宰
知り合いのいない土地で子育てと仕事に追われる日々のなか、偶然パステルアートに出会う。
2017年9月、パステル和アート準インストラクター資格を取得。「誰もが生きがいにつながる趣味を持つことで、大好きな人に囲まれた、より楽しい豊かな人生を送ることができる」そんな想いを抱き、講師業をスタート。
主宰するパステルアート教室は1歳から90代まで、のべ1,000名の方が受講。一方的に講師がレクチャーをするのではなく、同じ時間を共有し、ともに創る“共創の時間”を楽しめる教室として人気を得ている。
2019年からはアート展への出展も行っており、活動の幅をさらに拡げている。
トリプルブッキングで自分の許容量を超えていたことに気づく
福岡 すみれ(以下、福岡):まずはタイムコーディネート手帳に出会う前のお悩みを聞かせていただけますか?
宮川 波留子さん(以下、宮川):はい。私は絵画教室を運営しています。当時は、対面レッスンとオンラインレッスンの両方をしていました。そこで、トリプルブッキングをしてしまったことが何度かあったんです。小学生と中学生の子どももいるので、学校関係の予定と重なってしまうことも。「これはまずい・・・」そう思いはじめたタイミングでタイムコーディネート手帳のことを知りました。
福岡:当時はどうやってスケジュール管理をされていたんですか?
宮川:スマホのスケジュールアプリで管理をしていました。
福岡:アプリを使われてたんですね!確かに細かいスケジュール管理はデジタルの方が得意なイメージがあります。
宮川:そうなんです。私もスケジュール管理ができているつもりでいました。けれど、結果的にはいろいろな人に迷惑をかけてしまって。管理している“つもり”になっていただけだったことに気づき、すごく落ち込みました。
子どもからのサインで変わることを決意
宮川:当時はとにかく仕事がすごく立て込んでいた時期で、家族にそのしわ寄せがいってしまっていました。仕事が終わらないから、夕ご飯の片づけもせずにメールを返信するような毎日でした。
そうしたら、それまで一人で寝ていた娘が眠れなくなってしまったんです。当時は小学3年生か4年生ぐらいだったと思います。何でも一人でできていたのに、「ママ、来て!」と呼ばれることが増えて、「おや?これはおかしいぞ」と思いました。
福岡:お子さんからサインが出ていたんですね。
宮川:そうなんです。だから、仕事に費やしてしまっていた家族との時間を取り戻したい、と思いました。それで、タイムコーディネート手帳を手に取ったんです。
タイムコーディネート手帳で人生に真剣に向き合う人たちとつながれる
福岡:実際にタイムコーディネート手帳を手にしてどうでしたか?
宮川:すごくオシャレ!スタイリッシュな印象ですよね。
福岡:毎日持つものだから、オシャレなのはやっぱり気分がいいですよね。
宮川:私は元々、手帳が続かないタイプです。だから、ワークショップや手帳の使い方が解説してある冊子があって、続けやすい環境があるのもタイムコーディネート手帳を選んだ理由です。
福岡:私もはじめてこのタイムコーディネート手帳で手帳を1年使うことができました。それだけでうれしいし、自分への信頼度もあがりますよね。
宮川:本当にそう思います。
福岡:ワークショップに参加してみて、いかがでしたか?
宮川:すごくよかったです。特によかったのは、回ごとにテーマが決まっているので、ひとつのテーマにじっくりと向き合えた点です。
私は知り合いがほとんどいない状態でワークショップに参加したので、最初はとても緊張しました。でも、実際に参加してみると、参加者同士で話す機会もすごく取ってもらえていたのもあって、すぐに気持ちがほぐれました。
ワークショップに参加して感じたのは、タイムコーディネート手帳を使っている方たちは本当に自分の仕事も家族も、人生そのものにとても真剣に向き合っている、ということでした。
福岡:私もすごくそれは感じます。
「タイムコーディネート」という言葉に反応して集まってくださっている方たちだから、大事にしたいものをどうしたら大事にできるか、というところにみなさんとても真摯に向き合っていらっしゃいますよね。
宮川:はい。ご自分の人生をすごく大事にされているからこそ、人の価値観もすごく大切にしてくれる、とてもあたたかい場だと感じました。
福岡:なかなかそんなつながりはないですよね。ぜひこのワークショップも手帳とあわせて活用してもらえるとうれしいです。
心地よい時間への辿り着き方は人それぞれ
福岡:以前、はるこさんの手帳を見せていただく機会がありました。すごくキレイに書いていらっしゃいましたよね。
宮川:そうですね。結構びっしり書いていますね。
福岡:そのときに私の手帳もお見せしたんですよね。すごく雑に書き殴っている手帳を(笑)
宮川:すみれさんの手帳を見て、安心したというか(笑)こういう自由な感じでいいんだな、と思いました。
福岡:意外とTCプロジェクトチームのメンバーでも活用しきれていないページもあります。逆に、すごく大事にしているページもあります。みんな、一歩一歩それぞれのペースで手帳と仲良くなっている感じですね。
大切なのは、手帳に自分の大事にしたいことがまとまっていることだと私は思っています。手帳は毎日使うものだし、来年も再来年も使い続けるものだから、自分なりの使い方を少しずつ身につけられるといいですよね。
宮川:みなさんのお話を伺っていると、それぞれの使い方があるんだな、と思います。心地よい時間の使い方に向かう方法はいろいろあっていいんだな、と感じました。
心地よさを知るために「今」を記録する
福岡:タイムコーディネート手帳を使ってから、変化はありましたか?
宮川:はい。手帳を使うまでは、四六時中頭のなかがうるさかったんです。「あれはやったかな?」とか、「どこまでやったかな?」とか。頭のなかがそんな状態だから、子どもの話も右から左だし、顔も見ないで「行ってらっしゃい」って言うことも。
福岡:子育てがタスク化してしまっていた感じだったのでしょうか。
宮川:そうだと思います。タスクに追われている感じがすごくあったんです。そんな状況で、タイムコーディネートという概念に触れたので、「私にとって心地よいってなんだろう?」と思いました。そこから迷子だったんです。
福岡:そういう方は多いと思います。何にどれだけ時間を使いたい?と言われても、それまでそういったことを考えないでいたら、難しいですよね。
宮川:そうなんです。やりたいことは漠然とあるけれど、それに果たして何時間かかるのかがわからなかった。心地よい時間を具体化することができなかったんです。それで、わからないなら、とにかく時間の使い方のログを取ってみよう!と思いました。
タスクの細分化で先を見通せるように
福岡:素晴らしいですね!実際にログを取ってみて、どうでしたか?
宮川:すごくよかったです。絵の仕事をしているので、受講生に書いてもらう図案を作るんです。元々アイデアがあって、それを組み合わせるだけなら2時間くらいでできることもあります。けれど、アイデアがまとまらないと、何日も何日もかかるときもあります。かかる時間を見積もることができない状態だったんですね。
「見積れないなら、まずはログを取るしかない!」そう思ってやってみたら、わかったことがすごくたくさんあったんです。
福岡:たとえばどんなことですか?
宮川:私は、図案を作るときには「ひとつの作品をつくる」というように大枠でしか捉えていませんでした。でも、それは実はさらに細分化できるんですよね。ログを取ることで、実は5つぐらいのタスクに分かれるということがわかりました。だから、まずは上旬にひとつめのタスクをやろう、といったように組み立てができるようになりました。
福岡:素晴らしいですね!
宮川:大きなタスクを細分化できるようになったのが本当によかったです。そのおかげで、レッスンをあと何人までなら受けられるのか、今まであいまいだったものがクリアになりました。
それまではお申込みがあっても、もちろんうれしいけれど「来てしまった!」という気持ちもあったんですよね。
福岡:うれしいけれど、来てしまった・・・。その気持ち、すごく共感します。
私はチームで仕事をする機会が多いんですが、チームメンバー内でスケジュールの確認をしているときに、「それは○月○日以降なら着手できます」と答えている人がいたんです。すごく驚きました。私だったら、「明日からがんばります!」って言ってしまいそうだったから。
宮川:わかります!
福岡:日付で答えられるのは、タスクも含めた自分のやりたいことや、それにかかる時間が見えているからですよね。相手からの「いつできる?」は「今すぐやって!」ではないのに、タイムコーディネートを意識していないと「今から気合いで頑張ります!」って言ってしまいがちだな、と感じています。
宮川:本当にそうですよね。それを繰り返していると、頭のなかがいつもうるさくなってしまうんですよね。
やるべきことは変わらないのに気持ちはラク
福岡:今は、家族との時間も確保できていますか?
宮川:そうですね、確保できるようになってきました。
これまで見えていなかったものが「時間」というフィルターを通して見えるようになってきました。自分の使える時間もやるべきことも明確になってきたからこそ、「人に頼む」ということも少しずつできるようになってきました。
福岡:タスクと時間を具体的に把握していないと、人に頼むこともできないですもんね。
宮川:そうなんです。いろいろなことが具体的になったことで、これは人に頼めることだと判断できるようになったのはすごくよかったです。多分、やるべきことは今もそこまで大きくは変わっていないんです。それでも、感覚的にはすごくラクになっています。
福岡:自分ですべてを抱えるのではなく、「手放す」ということを選択肢として持つだけでも違いますよね。あと、タイムコーディネートでは「バッファ(余白)」をあらかじめ設けておきましょう、ということも言われています。そのバッファがあることも心のゆとりに繋がるのかもしれませんね。
宮川:本当にそう思います。
挑戦しているからこそ葛藤がある
福岡:時間の使い方って時間割通りだったら、そんなに悩むこともない。新しいことや、自分のやりたいことに挑戦しているからこそ時間の使い方に悩むのだと思います。ログを取るのも正直面倒くさいですよね。だけど、何かひとつでもいいからやってみることで、必ず変化はあると思っています。
宮川:はい。私もログを取り始めたことで、『3カ月プロジェクトシート』を活用できるようになりました。
福岡:仮置きでもよいから、何かしらの目安を置かないことには振り返りもできないですよね。そのためにもログを取って、目安の時間がざっくりでも分かっているのは全然違いますよね。
宮川:時間を見積もるって慣れないと難しいですよね。だからこそ、まずはぜひログを取ってみることからはじめられるといいと思います。
やりたいことを優先したら収入が4倍に!
福岡:他にも変化はありましたか?
宮川:はい、ありました。子どもが中学校に進学したので、生活のペースが変わったんです。それもあって、今年は4月・5月と夏休みは休みを確保したんです。最初にやりたいことの時間を確保する、というタイムコーディネートの考え方を実践してみました。8月にいたっては、月の半分は休んだんです。
福岡:すごいですね!
宮川:そうなんです。だから、子どもと過ごす時間を多く取る心積もりで今年はやってきた1年だったんですね。そういう過ごし方をしてきたにも関わらず、今年の収入が前年と比べて約4倍になるんです。自分でもびっくりなんですが。
福岡:えー!!!
宮川:私も「えー!!!」と思いました。びっくりですよね。これはタイムコーディネートのおかげも絶対あるな、と思っています。
福岡:ご自分の大切なことにフォーカスすることで、必要のないものを手放せて、限られた時間でもしっかりと集中できた結果ですよね。
宮川:そう思います。
タイムコーディネート手帳は人生の舵を自分で取りたい人にオススメ!
福岡:最後にタイムコーディネート手帳はどんな人にオススメできますか?
宮川:家族も自分のやりたいことも大事にしたい人ですね。自分の人生の舵を自分で取りたい人はぜひ一度ログを取るところからはじめていただけるといいと思います。
福岡:ありがとうございます。時間を整理するって、大変なタスクをどうやりこなすかということではないんですよね。「時間」というフィルターを通して、大事にしたいことがより明確になることで、人生が整っていく感じがします。タイムコーディネート手帳というツールを通して、時間の持つ力をお手元にお届けできていることを実感できて、私もとてもうれしいです。
宮川:あと、お仕事をされていなくても、自分が24時間をどう使っているのを見た方がよいと思います。「変わり映えのない毎日だな」と感じている方も一度ログを取ってみてほしいです。
福岡:そうですね。私も専業主婦のときは何もしていないと思っていたけれど、これだけ暮らしや家族に心を砕いていたんだって自分でも思えますよね。
宮川:はい。意外とがんばっている自分に気づけるんじゃないかと思います。
福岡:ありがとうございます。最後に、はるこさんのパステルアート教室のことについて教えてください。講座の開催情報などはどこを見ればいいでしょうか。
宮川:Instagramに最新情報を載せているので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
宮川 波留子 さんInstagram
https://www.instagram.com/pastelart_ateliermoa/
福岡:タイムコーディネートの驚きの効果もお話もしてくださり、本当にありがとうございました!
宮川:こちらこそ、ありがとうございました。
インタビュアー:福岡 すみれ(TCプロジェクトチーム)
編集:長谷部 敦子